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えっ!?宇宙人に遭遇!?(改訂版)

 「あれはある夏の日の夜の事だった…」
って感じで始まるUFO目撃談を紹介する番組がありましたが、今回はそんなお話です。
 あれは高校生の頃、地理の授業か何かで、自分の家の緯度と経度を小数点以下4桁ぐらいまで細かく出した事がありました。GPSなんてない時代だったので、そこまで細かく自宅の位置をみちびき出せた事に心おどっていた事を覚えています。で、その日の夜の事です、信じられない事が起こったのは。
 僕の部屋は二階建ての一軒家の二階にありました。「さて寝るか」と照明を消し、南側の窓際の壁に沿って置かれたベッドに入りました。仰向けになって暗闇の天井を見上げた時、昼間の授業で出した緯度と経度が頭に浮かんで来ました。で、ふと思ったんですね。「これぐらい正確にこの家の位置がわかってるんだから、これをなんとかねんじて伝えられたらUFOだってここへ呼べるんじゃないか?」って。普通はそんなの無理だと思う訳ですが、ええ、当時の僕は、常識より好奇心が勝っていたんですね。んなわけないと思うことなくやってしまう訳です。ベッドの上で仰向けになって暗闇の天井を見つめつつ、頭の中で天井を突き抜けた先のはるか彼方かなたに意識を飛ばし、遠く輝く星々を思い浮かべながら、緯度と経度を心の中で念じました。で、しばらく念じ続けた後の事です、この話の核心となる出来事が起こったのは。
 その時のベッドは部屋の角の壁際にあり、頭の横と上は壁、足元の横が窓になっていました。窓はブラインドがのぞかれない角度で隙間がある状態で、窓の外は暗い夜空でした。その状況で、ベッドの上で仰向けになって緯度と経度を念じていたんです。そしてついに、その出来事が起こります。足元の横の窓の外が、ボワ〜っと青白く光り出したんです!
「えっ!?」
ウソだろっ!と思い、ホントに来た!と嬉しくなり、何が起こるんだ!?と怖くなり、いろんな感情がほんの一瞬でぐるぐると駆け巡った、次の瞬間でした。
『ジリリリリ…』
鳴り響く目覚まし時計の音で気がつき目を開けると、朝になってました。
「えっ!?いつ眠った?」
いつ眠気が来たのか、いつ眠りに落ちたのかわかりません。朝になるまで一度も起きてないし、夢も全く見ていません。窓の外が青白く光ったのを感じてから、目覚ましの音で気がついて起きるまで、記憶がすっぽりと抜け落ちているんです。まるで消されてしまったかのように。
「いやいやいや、そんなわけない」
何度もそう思いました。だけどどう考えてもおかしい。確かに窓の外は青白くなった、次の瞬間には朝になっていた。…どう考えても「記憶を消された」と考える方がしっくりくるんです。窓の外が光ったのは気のせいだったとか、それも夢だったとか、否定する考えも浮かぶんですけど、やっぱり記憶を消されたんだという思いがより強く浮かぶんですよね。自分でも信じられないんですけれど。
 「宇宙人に遭遇そうぐうし、記憶を消された」。これが本当の事だったとしたら、一つだけ悔しい事があります。「いったい朝までの間に、僕はどんなめくるめく体験をしたんだろうか?」って事です。なにせ宇宙人と遭遇したんですから、そりゃあもう興奮冷めやらぬ体験をしたに違いありません。「いったい何があったんだ!?少しぐらい記憶を残してくれてたっていいじゃないか!」そう思わずにはいられません。あぁ悔しい!きっと秘密がバレてしまっては困るから記憶を消したのでしょうけど、だとしたら言いたい!「記憶を消すなら窓の外が青白くなる前から消しといてくれよ!」と。じゃないとモヤモヤが残るじゃないですか。宇宙人と遭遇したんじゃないか?って期待だけ持たされて思い悩む羽目になる、こっちの身にもなって欲しいものです。…いや待てよ、さてはそう思い悩むとわかってて、UFOや宇宙人の存在を(今でも)信じる僕に、「ちゃんと来てあげたよ」って証拠となる引っ掛かりだけを残していったんだな?
 まったく、宇宙人ってのは案外、意地悪なヤツだったんですねぇ〜。

以上、「えっ!?UFOに遭遇!?(改訂版)」でした。


#つぶやき  #UFO #宇宙人 #宇宙人に遭遇

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