FMWの地方大会

これは平成2年の話である。
前年に創立した大仁田厚氏のFMWの興行があった。
俺は全日本プロレスファンだったから、大仁田厚氏がチャボ・ゲレロからNWAインターJRを奪取したのは、リアルタイムで見ていた。
勿論凱旋帰国してからの大仁田厚氏の試合は、ビッグマッチはほとんど生で見ている。
高杉ウルトラセブンとの試合もゲレロ兄弟との試合も。
チャボ・ゲレロとの王座決定戦3連戦の初戦は、横浜文化体育館まで見に行った。
王者になってからのアマンド・ゲレロとの試合もヘクター・ゲレロとの試合も生でリングサイドで見ていた。
ヘクター・ゲレロとの試合では、ジャーマン・スープレックス・ホールドで勝ってタイトル防衛した後、リングから飛び降りて転び膝の皿を割る重傷を負った。
その後の復帰した試合も見たが、マイティ・井上に敗れて引退勧告受けた試合もリングサイドで見ていた。

そんな大仁田厚氏のFMW。
どう見てもショボいのは、分かっていた。
だが、俺がその時いた地方で大会があったのだ。
チケットは、プレイガイドではなく、地元の喫茶店で販売していた。そう週プロに載ってたから。
だから、俺はそこでコーヒーを飲み、リングサイドのチケットを買った。
1列目だった。

当日俺は、会場に行き席を探した。
すると1列目にどう見てもその筋の人たちが、5人くらい座っていた。
俺は一瞬躊躇ったが、その筋の人相手でも自分のチケットが1列目なのだから、俺は正しいから話しかけた。
失礼ないように。
「あの、すいません。申し訳ないんですが、俺のチケット1列目なんですけど」
するとそのうちの1人が俺のチケットを見て言った。
「お兄さんのは確かに1列目だけど、俺たちの席は関係者席で、1列目は俺たちの後ろなんだよ」
見てみると確かに2列目のパイプ椅子には1列目の数字が貼られていた。
「あ、そうなんですか。失礼しました。知らなかったもので」
俺はちゃんと挨拶して、自分の席を探して座った。

試合始まると、俺はエキサイトして、普段のプロレス観戦の時と同じく、大語で叫んだ。
Rフジと言うレスラーは、異種格闘技戦でリー・ガク・スーと言うテコンドーの選手と闘い、負けたのにアピールしていた。
俺は激怒して、叫んだ。
「てめぇ!負けたくせに、何カッコつけてやがる!
日本人なら腹を切れ!かと。
驚いてその筋の人たちが俺を見ていたが、俺は構わず怒鳴り続けたのだった。
他の試合でもショボい試合には、怒りを叩きつけていた。
プロレスファンなら当たり前の事。

多分その筋の人たちも後ろにヤベー奴がいる、こう思っていただろうな。
興行張るから、地元の組織に関係者席の特別券を配ったのだろう。
全女の会場でもそう言う人たちを見たなぁ。
全日プロレスと新日本プロレスとUWFでは、見かけたことはない。

個人的には発売日に買いに行き、1列目取ったのに2列目だった恨みは、まだ残っているw
だから、それ以降倒産するまでFMWは1度も足を運んではいない。

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