柔道着で暮らす男

学生時代の寮での話である。
同期の柔道部の男がいた。
身長180ちょいで、体重100キロくらい。これは1年生の時で、3年生の時は120キロはあった。もっとあったかも。

彼は1年の頃は、普通に洋服を着て暮らしていた。大学でもちゃんと服を着て、講義を受けていた。学部は違ったが、一般教養の講義で、一緒になった事もあるから、それは知っている。

1年の夏くらいまでは、同じ階の連中とよく遊んでいたし、部屋にも遊びに行っていた。
だが、寮の自治会とは思想が違ったから、そのうち自分の部屋以外はあまり行かなくなった。
3年の頃かな、気付いたら、柔道部の奴は寮内では柔道着で過ごしていた。
ある時大学で見かけたが、大学でも柔道着でいた。部活ある日なんだな、こう解釈していた。

だが、彼はいつも柔道部だった。丈夫だし、部活で着替えるのも面倒と言うのだw
洗濯する時は、洗濯機に柔道着を入れて、パンイチw
そして屋上で柔道着を干してる間は、パンイチで屋上のベンチで日サロしているのであったw

俺は彼が喧嘩してるのを1度見た。相手の顔面が血まみれになっているのに狂ったように顔面にパンチを叩き込んでいた。
流石にやばいと思い、数人で抑えようとしたが、最初は振り払われた。

彼は留年したので、俺は卒業した後のことは、よくは知らない。
だが、学祭とかに遊びに行って、後輩に聞いたら相変わらず柔道着で過ごしていたそうだ。
今はどうしてるかは、知らない。

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