弁当屋の娘、ワシに惚れとる

今でもこの台詞を思い出すw
言ったのは、大学の同期だったMうMう君。
大学3年の時の台詞だったと記憶している。
当時彼は小田急線の経堂に住んでいた。
東京農大方向だった。
彼のアパートの側に、彼がいつも利用する店があった。
彼は自炊はしない。お湯すら沸かさない。コーヒーは全て缶コーヒー。箱で買っている。テレビ番組によれば、これは富山県高岡市民の特徴だと言う。缶コーヒーを箱で買ってるのが、である。

彼のアパートの近くにいつも利用する餃子の王将、カレー屋ゴリさん、キッチン南海があった。
そして、これらの店に行かないときに買う弁当屋さんがあった。
彼のアパートの道路挟んで向かい側の斜め左にその弁当屋はあった。
ほかほか亭とかのチェーン店ではなく、個人経営の店。
彼はここで週に何回か買っていた。
これが前提。
彼は常連客だったのだ。それも駅から歩いた場所の個人商店の。

俺が彼のアパートに泊まったとき、一緒に弁当を買った。
勿論食べるのは、彼の部屋でである。
弁当の種類までは記憶していない。
だが、食べ始める前に彼は2人の弁当を見比べて、語り出すのであった。
「やはりや」
「どうした?」
「ワシの方だけ、盛りが多い!」
「そうか?」
「一目瞭然や」
そんなに違うとも思わなかった。
「ワシの弁当だけ盛り多いんや」
力説する。
「弁当屋の娘、ワシに惚れとる」
つまり弁当屋のバイトの女の子が、彼に惚れてるから弁当の盛りが多いと主張するのであった。
単に常連客だから、じゃないのかな?

昭和の話で、平成になってから彼とは没交渉だが、この話は思い出す。

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