バーテンダー養成コンパ

俺のいた大学のサークルでは、学祭でカクテルパブをやっていた。これは俺の入学する2年前からやっていたそうだ。
出来合いのカクテルの素みたいなので作るのではなく、ちゃんとカクテルのレシピ本を見て、リキュールをシェイクして作るのだ。
メジャーカップでちゃんと量り、氷を入れてシェイクする。
勿論新入生は全員作った事も無い。
だから、学祭の3週間前くらいにバーテンダー養成コンパが開かれた。
うちのサークルのバーテンダーは、全員男だった。会員には女子も8人いたし、新入生の女子も4人いた。だが、自分もカクテル作るとか言う女の子は誰もいなかったw
だから、男だけのバーテンダーだったのだ。
コンパはレシピ本を見ながら、メジャーカップで量を量り、シェイクする。
量るのは本見ながらだから、ほとんど問題なかった。
肝要なのは、シェイカーの振り方だった。
一応カクテルパブだから、客におーと思われるレベルのシェイカーの振り方を出来なくてはならない。というのが、建前だった。本音は飲みたかっただけどw
ただ、この養成コンパで場数踏んだおかげで、学祭本番では酔った体育会系の客なんかに絡まれながらもちゃんとカクテルを供す事ができたのであった。

学祭になってカクテルパブ白鹿亭は開店した。
営業は12:00〜24:00。
今はうちの大学の学祭も禁酒で昼だけらしいが、当時はサークルの出してる店は、思想系のサークルの研究発表的なのを除けば、飲食店が主だった。喫茶店やパーラーもあったが、焼き鳥屋などの飲み屋がほとんどだった。
探検部のカレー🍛は、マジ美味かった。
変わり種だとディスコや社交ダンスとかもあったけどね。

俺は1年の前期試験の時、実は4年生の少林寺拳法部の酒乱に脅されて、試験を代わりに受けさせられていた。
その日は俺は試験のない日だった。部屋にいたら酒乱のKが来た。
「おまえ、今日は暇か?」試験が無かったから、それを話した。すると「ほな、おまえ、ワシの試験受けいや!」
え?
受けさせられたのは、英語だった。で、彼の学籍番号を暗記させられた。
俺と同じくもう1人の酒乱少林寺拳法部の奴にゴミーと言う一年生も試験受けるように脅されていた。
俺とゴミーは、それぞれ脅した酒乱の学籍番号を暗記させられて、試験会場に。
その試験は学生証の提示は必要なかった。
ただ答案に学籍番号と名前書くだけ。
試験会場には俺を知ってる上級生が何人かいて、なんでこいつがいるの?って目で見られたw

英語は大学受験で勉強してたから、俺的には8割は取れたと思った。
ゴミーと一緒に酒乱たちのところに報告に行った。
「おお、ようやった。お礼に浴びるだけ酒飲ましたるわ」それが嫌だから試験受けたのですけどw

カクテルパブに深夜酔った少林寺拳法部の連中が、やって来た。深夜1:00過ぎでは営業してるサークルもほとんど無かったから。
酔った少林寺拳法の連中は、カクテルパブでも傍若無人に騒ぎ始めた。
すると俺が試験受けてやった酒乱が、「待て、おまえら静かに飲め!」
と静めにかかった。驚いて見てると、「俺はこいつには一宿一飯の恩義があるんや」
え?任侠映画ですか?
とにかく何の騒動も起こらず、彼らは俺や同期の作ったカクテルを飲んで、更に酔って立ち去ったのであった。

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