猫まんま

大学3年生の時の話である。
俺は学食で、ひとりで昼ごはんしてた。
食べてたのは、確かレインボーランチって330円の定食。これが好きだったんだよね。
そしたら、2つ離れたテーブルに、サークルの後輩の女の子のカーが来た。
声をかけようとしたが、カーと同じテーブルにいた3人連れの男の様子がおかしいw
何故か、みんなカーを凝視している。
見たら、カーはトレイにご飯と味噌汁だけを乗せていて、ご飯に味噌汁かけて、それを掻き込んでいるのだった。
所謂猫まんま。昔は、犬や猫の餌は、残ったご飯におかず残ってたらそれを乗せて、無かったらそのまま、味噌汁をぶっかけて与えていた。
ペットフードなんかは、ブルジョアジーのもので、一般市民階級は残り物を与えていたから。

そんな猫まんまをカーは一心不乱に書き込むのであった。
そして、同席の学生たちは、呆然と見つめていたw
俺は遠目に見て、声をかけるのは断念した。知り合いだと思われたく無かったからから。そして、笑いを堪えて、カーの食事を見つめるのだった。

カーはロングヘアーだったが、ボーイッシュな服装をしていた。
それにしても、猫まんまはやばたにえん。
ご飯100円に味噌汁50円で、150円で済むご飯ではあるが。俺は仕送り前でビンボーな時は、カップ麺か軽食コーナーのコロッケバーガー150円で耐え忍んだけどなぁ。猫まんまは、猫と付くだけあって、人間の食べるものでは無いと思っていたから。
どうしても金が無かったら、食事抜いたし。

俺はカーならやりかねんと理解したが、同席の男子学生たちは、ロングヘアーの女の子が、猫まんまをかき込むのを見て、絶対この後その話題で盛り上がっただろうなぁ。
他の友達に話しても、そんな女の子居るわけないと信じてもらえなかっただろうなぁ。

カーは何故カーと言うか、それは鳥が好きでサークルのコンパの時に鳥の鳴き真似をして、カーと鳴いたからである。それで、カーと言う名前になったのだった。

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