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バイクでGOGO西日本12

ひとはなぜ先端に向かうのか

 佐田岬の灯台までの道はとにかく気持ちいい。視界の左右は海で、両サイドが切り立った崖の上の一本道をひたすらに走っていく。途中、大分行きのフェリーが出ている港を過ぎると、道幅が一気に狭く、くねった細い山道を走ることになった。

 以前車で九州で釣りキャンプをするため、ここからフェリーに乗った記憶がある。フェリーが出向するまでの間、堤防から竿を出すと餌もついていない針に、無限にカマスが掛かった思い出がある。その際、友人は大物を狙って堤防のこれまた先端から沖に向かって竿を出していたのだが、そこそこのサイズのサメが掛かってしまい、糸は切られるは、竿は引きずられて買ったばかりのロッドやリールは傷だらけになるはでさんざんな思いをした場所でもある。

 このフェリー乗り場からさらに20キロ山道を抜けていくと、岬の先端に出る。ここからは未知のゾーンなのだが、残念ながら思っていた快走路ではなく、曲がりくねったあまり景色が見えない道だった。狭く細く、さらに地元の人の唯一の生活道路なので対向車も多く、生活していている地元の人には申し訳ないが、ツーリングルートとしてはあまり楽しい道ではなかった。

 本当にただひたすらに、人間の性である先端に行きたいという欲望だけに従って岬の灯台を目指した。けっこう大変な思いをしながらなんとか岬の先端の広場にたどり着いたのだが、残念ながら思っていた感じとは違い、少々がっかりした気持ちになった。しかし、人間の性的には先端にたどり着いたことで十分に満足したので、5分ほど休憩した後、すぐに引き返す。とりあえず僕の頭の中にある地図のルートが埋まったことに満足しながら、再び一時間かけて元のルートの分岐点まで疾走した。

 もとのルートの分岐点までもどってきて、時刻はきっかり夕方の6時半。ここから一気に宇和島を目指した。山の中の快走ルートで知らないうちに高速の無料区間に乗るような感じになっていたのだが、これは助かった。なぜなら山の中で日没を迎えるほど悲惨なことはないからだ。

 理由はまず暗い。そして暗いことで目の前のライトで照らされた道路以外の景色が一切楽しめない。そして動物が出てきても見えないので衝突の危険がある。鹿とかに衝突しようものなら、向こうもこちらも終了である。さらに、バイクのヘッドライトを目指して大量の虫が次から次へと飛び込んでくる。これは痛い上に、さらに潰れた無数の虫の体液で前が見えなくなる、という惨事が待っている。

 ただ今回は無料の高速区間のおかけで、そんなえらい目に合うこともなく、無事宇和島についた。この日泊まった駅前にある宇和島の宿には屋根つきバイク置き場もあり、他のライダーのバイクも置いてあった。部屋に入るとまさかのツインルームでラッキー。早速汗でとんでもない匂いを放つ体をシャワーで清める。そして少し休憩を取ってから、街に食事に向かった。

 ホテルの人が、地の料理が食べれる場所をいくつか紹介してくれたのだが、残念ながら歩いていくのには少し遠い。でもバイクでなんて絶対にならない。理由はとにかくお尻が絶望的な状態であることだ。

 これも僕だけではなく、ほとんどのライダーあるあるだと思うのだが長距離走った後、一度バイクから降りて近距離のために再びバイクに跨るなど絶対にならないほど、お尻がイカれる。せっかくの旅行で地元の料理を食べないのは忍びないのだが、その欲求に簡単に打ち勝ててしまうほど、酷なのが数日にのぼる長距離ツーリングの代償なのである。

 ということで近隣で晩ごはんを済ませようと街に繰り出したのだが、残念ながら飲み屋以外に明かりのついた店を発見することが出来ないでいた。こりゃ再びスーパーパターンだなとスーパーを探し、駅の近くにあった大きなスーパーに入った。しかし残念ながら、時既に遅しで地の物の惣菜系はすでに出払っており、全国どこのスーパーにでもあるような物しか無い。まさか佐田岬の2時間がこんなところに響いてくるとはと唇を噛みしめながらおにぎり3つを抱えてスーパーを後にした。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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