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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep46〜

第五章 シリア ダマスカス編
三十路センチメンタルジャーニー
ep46、世界平和と日本のしごと 2006

 廃墟。これが僕の率直なクネイトラのファーストインプレッションだ。教会も商店も病院も弾痕だらけ穴だらけ。原型がない建物も数多くある。原則的に国際ルールにおいて一般人や病院などは攻撃してはならないはずだが、人と人との殺し合いが行われている中ではそんなものは空虚なのか。その後ガイドが連れてきてくれたのはイスラエルが占領するゴラン高原が一望できる場所だった。

 ここは占領するイスラエル軍の基地も目視できる場所で周りを見渡すと、かつてのヘビー級王者モハメド・アリが平和祈願のために埋めた木もある。また、こんなところで日本語も発見した。「世界に平和が訪れますように」。すげー、こんなところにもある。ちなみにこの有名な柱の元は日本の新興宗教である白光真宏会の教祖が始めた宗教とは事業であるらしいのだが、なんと世界180カ国20万本以上の白柱が植えられているそうだからすごい。また、イスラエルのユダヤ教とシリアのイスラームの戦いの間に入って日本の新興宗教がこのポールを埋めるという荒行もまたすごいと一人で色んな意味で感心していた。こういう仕事もあるんだな。

 このゴラン高原は現在両政府が領有を主張、決着がついていない。実質的にはイスラエルが占領しているので日本でいうところの竹島(独島)ってところか。そしてガイドはその次に軍事境界線となるDNZ(非武装地帯)の入り口まで連れて行ってくれた。一般人、シリア軍、ツーリストはここまでしか入れない。シリア側のゲートからイスラエル側のゲートまでは約200〜300メートル。ゲートの向こう側にはイスラエルの六芒星ダビデの旗が風になびいている。この非武装地帯に入れるのは国連軍のみで、ゲートの向こう側を僕は日本ではけっして味わうことの出来ないなんともいえない感覚で眺めていた。

 っとそのときゲートに一台の「UN」の車が近ずいてきた。「おッ国連平和維持軍だ」と思ってみていたらなんと自衛隊だった。思わず「ご苦労さんです」と声をかけてしまったのだが、一瞬こちらをチラ見して会釈してくれた。その後、何事もなかったかのようにゲートの向こう側に消えていった。そういえばニュースで自衛隊がPKO(ピースキーピングオペレーション)の一環でゴラン高原に駐留しているのを見たことがある。しかし、テレビの中のお話ではなく実際に目の前で見ることになるとは思っていなかった。ほかにもブルーのベレー帽を被ったPKOの軍人さんが散見された。彼らの腕につく国旗を見ているとオーストリアなどの軍人もいて停戦監視という国連の仕事を目の当たりにすることになった。彼らはIDカードを見せ非武装地帯にグングン入っていく。そしてイスラエル側でも同じようにIDカードを見せてゲートの向こうに消えていく。「やるな.....自衛隊。ちゃんと仕事してんジャン...」と何故か妙に上から目線で感心しながらクネイトラを後にした。
 
 さあ、明日からはヨルダンに移動だ。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)




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