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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep15〜

第二章 パムッカレからカッパドキア、そしてシリア入国
三十路センチメンタルジャーニー
ep15,ヴィンテージバイクと僕の癖 2006/11

 今日いよいよ、今回の旅で初の陸路国境超えに向かう。シリアのトルコ国境に近い北部の都市アレッポ行きのバスは夜出発なので、それまで奇景を見に行くことにした。このビューを見ないでカッパドキアを後にすると、もう一生来ない気もする。

 しかし、足をグねっていた自分は、トレッキングなどという小洒落たことをせずにバイクをレンタルすることに。近くあったバイクレンタルの店には、きれいなバイクが並んでいたのでここで借りようと決めた。一通りの説明を聞き、パスポートのコピーと国際免許証のコピーを取られ、さらに保証金を支払い、いよいよバイクのレンタルとなる。

 するとなぜか僕に貸し出されたバイクは裏から運ばれてきて、それはとてつもなくボロい。???(°▽°)となり、そこに並んでるの最新のやつを貸してくれといったのだが、これはただの観光客を釣るための見世物バイクであることを宣言され、致し方なく、哀愁漂うスーパーヴィンテージバイクに跨ることに。

 バイクと言っても100CC程度のいわゆる原付二種なのであるが、やはり自由に自分のペースで好きなところに移動できるのはありがたい。当然現代のようにGooglemapという最強ツールがある時代ではなかったので、なんとなくのざっくり地図をバイク屋から借り、それをもとに絶景スポットに向かう。うーん半端じゃなくパワーがない。ちょっとした坂道を登るのもかなりの唸り声を上げるヴィンテージというロートルバイク。しかも超遅い。味があると言ってしまえばそれまでだが・・・、味があるということにしてしまおう。疾走する僕の頭で流れていた曲は、はっぴーえんど『風をあつめて』。なんともスローな視界を流れる風景とマッチングする。細野晴臣先生万歳。

 超スロースピードで疾走する僕は、地元の車に何度も煽られ、風をきりながら目的地に向かう。しかし、自分の癖なのか、もちろん絶景というのもそれはそれでいいのだが、このようなバイクという自由なツールがあると、寄り道が半端じゃなくなる。例えば庶民が暮らす普通の村などに立ち寄ってしまう。もちろん観光客を相手にしている人たちではないので、英語も話せないのだが、なんとなく一緒にお茶を飲んで、なんとなく一緒にぼーっとして、なんとなくサヨナラを言って立ち去る。というような行動に出てしまう。

 今回もそんな感じだ。そして大概そういう時にはなぜか写真も撮っていないことがほとんどだ。多分忘れてるのだと思うけど、もしかしたら、カメラを向けた瞬間から立場が観光客になることが心のどこかでは嫌なのかもしれない。なんて加齢臭がし始める今日このごろのセンチメンタルジャーニーを満喫しつつ、絶景ポイントへ。う〜んなんともこの景色は・・・よく見る写真と同じ・・・

 夕方には一日世話になったヴィンテージバイクを返し、バックパックを詰め始める。夕方には、それまで一緒に遊んでくれた旅人と夕食をする。今日は奮発してみんなでアナトリア料理のレストランに行こうということとなった。久しぶりのちゃんとしたレストランに小汚いアジアの旅行人が数名乗り込んだのだが、嫌な顔をすることもなく、きっちりとした対応で迎えてくれた。夕食にはいつもの二人以外にもうひとり、自分と同じバスでシリアに向かうというM氏をI氏が連れてきていた。

 宿が同じだったそうで、今夜おっさんが一人シリアに向かうことを話したら、私も同行させてもらうと言うことになり、結局またまた道連れになることになった。このM氏が後に僕にとっての救いの女神となるのはまた先の話。おいしい食事と素敵なみんなのおかげで出発までの楽しい時間を過ごさせて頂いたあと、いよいよ皆さんとお別れし、シリア行きのバスに乗り込む。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったらよってみてください(^^)


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