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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep55〜

第六章 ヨルダン アカバ編
三十路センチメンタルジャーニー
ep55、天使姉妹現る 

 フェリー乗り場では、ゆっくり飯を喰らい、さらに待つこと3時間。この間レストランの従業員であるバングラディッシュ人達と戯れて過ごす。こんな所まで出稼ぎにきているとは、本当に頭が下がる。なんでも中東アラブ諸国は、多くのバングラデシュ人が出稼ぎに来ているそうで、その理由は同じイスラームだからということだった。

 でもなんでまたヨルダンなのかと聞くと、中東の中ではそこそこ給料が良いらしい。もちろんそれだけではなくブローカーの関係やら親戚がいるやらなんやらあるみたいなのだが、こうした出稼ぎは多い。でもというか、やはりというか最も多い出稼ぎ先はサウジアラビアやアラブ首長国連邦、クウェートといったオイルマネーで潤う国が多いようだ。

 そんなこんなで、戯れているうちにやっとツーリストらしき人たちがチラホラとやってきた。ぶっちゃけ今回はエジプトまで足を伸ばすつもりが全くなかったので、情報がほとんどない。数年前にエジプトにいった時はカイロ空港インで、おまけにカイロを中心にアスワン方面にしかいっていなかったので、ぶっちゃけ今から向かうヌエべやダハブなんて全くといっていいほどノーチェックだった。

 もちろんインターネットカフェを駆使しながら情報を集めていたのだが、この当時は、まだ黎明期であって今のように情報のアクセスが簡単ではなかった。もちろんガイドブックも何もない。とはいえ、僕の足りない頭では、この後多分ツーリストが沢山来るから問題ないと思っていた。が、しかし、やってきたのは2人の天使のような可憐なフランス姉妹のみ。おまけに見た感じ、まだ高校生ぐらいだった。流石に女性に年齢は聞けないので最後までわからなかったが、間違いなく未成年であっただろうと思う。

 とにかく僕はなんとかフェリーで着く先の情報を得ようと、まあロンリープラネットぐらいは持っているだろうと話しかけてみた。最初は僕の拙い英語のせいで要領を得ない天使姉妹であったが、得意のボディランゲージ駆使しなんとかエジプトのガイドブックとか持ってない?という意志が伝わったかに思えた。

 美人フランス人の姉は、「あーーー分かった!地図が見たいのね」のようなことを言ってきたので、「そうそれ!」と返した。妹はフランス語で姉から説明を受け、彼女の大きなバックパックを探し出した。そんな妹が満面の笑みとドヤ顔で僕に差し出してくれたのは「全世界地図フランス語版」であった。

 うん、それそれ・・・って、関西人のようなノリツッコミをしてしまいそうなこの展開に僕は凍った。いやいや、そうではなくエジプトのガイドブックですがな(-.-;)y-~~~、僕は再びそのことを伝えた。すると妹は満面の笑みで全世界地図のエジプトを指を差し、「ここよ!」と再び天使の笑顔を僕に向けてきた。そして、その横に座る姉もまた、天使の笑顔を僕に向けてきてくれている。この笑顔を僕に向けてくれただけでもおっさんとしてはすでに満足なのであるが、勘違いのままでは終われない。

 ということで、僕は日本語版の持っていた他の国のガイドブックを取り出し、「こういうやつ」と伝えると、天使達の顔は急に曇りだし持ってないとの事だった。うーん参った。しかし、よくよく考えてみるとここは中東、かつてはイギリス統治領とフランス統治領がミックスされたような所なので、彼女達からすれば僕ら日本人に比べここ中東はよっぽど身近な存在なのである。ということは僕にとっては、彼女達と共にエジプトまで行動することは色々無意味で少なからず理にかなっている。そして、もしかしたら出発までには他にもツーリストが来るかもしれないので、とりあえず一緒にいることにした。

 なお、この時点で初めて分かったことなのだが、彼女達も僕と考えていることは全く一緒で、ここまでくれば情報を持っているツーリストが来るという思惑だったらしい。何はともあれ彼女達も一応日本人の大人のツーリストが一緒にいるということが多少なりとも安心を与えているようで一緒にエジプトまで行くことを快諾してくれた。

 ちなみに(僕)「アラビア語はわかる?」(天使)「わからない」。まぁしかしなるようになるのである。そこからさらに2時間。結局他のツーリストは現れなかった。そうこうしているうちにガヤガヤとローカルのフェリー客が動き出した。そして、僕らに向かって、何か必死にバスに乗れといっているようだ。フランス姉妹と顔を合わせバスに乗る。バスが着いた先にはフェリーが待っていた。よし、これでフェリーに乗れたので、あとはエジプトに着くまでのんびり航海を楽しむだけだ・・・のはずが、そこからさらに5時間、いまだにフェリーは動かない・・・この日記を記している現在は午前2時・・・これ動くの?

第7章 エジプト編に続く( ̄^ ̄)ゞ

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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