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バイクでGOGO西日本13

奇跡は簡単に起こらないから奇跡という

 昨晩は広々とした宿の部屋で、四国のマップとにらめっこしていた。今回はノーマークだった四国なのだが、ツーリングをする場所としてはかなり楽しめるルートが豊富で、正直行きたいルートで溢れていた。

 やべー、楽しそー、どーするー俺、行きたいとこいっぱいあるーなんてニヤニヤしながらマップを眺めていた。ただし、一つだけ、明日はホームへの帰宅日でもある。なので、もちろん全部は行けない。ぶっちゃけ一日、旅行を伸ばすことも考えたのだけれど、まずひとつ目、妻になんとなく申し訳ない。特に悪いことをしているわけではないのだが、なんとなく後ろめたい。そして2つ目、お尻限界。さらに3つ目は、明後日以降天気がヤバそう。

 ということで決めたルートは宇和島から四国カルストを抜けて、高知県桂浜黒潮ルート、そこから195号線という四国ツーリングではメジャーなルートを通って阿南方面へ。四国の東海岸を北上し徳島から淡路島、そしてホーム京都を目指す。かなりの長距離ルートになるが、正直淡路島を走れれば今回のツーリング旅行は終了。神戸市垂水あたりからは、高速で一気にホーム京都まで向かうことにした。高速なら夜間でも構わないので、とりあえず日が沈まないうちに淡路島の最北端まで行くことを目的とした。

 この日は朝6時にホテルを出た。走り始めてすぐに山に入っていく。朝方の湿気のせいか、または霧が出ていたせいか、地面が濡れている。晴れれば良いなと考えていたが、山の空はどんよりしていた。もしかしたら今回のツーリングで初めての雨にやられるかもしれないなと思いながら、最初の目的地である四国カルストを目指して走った。

 四国カルストに入る途中、坂本龍馬が脱藩を決めたという歴史街道に入った。流石にここには観光客もいたが、まだ早朝ということもあり、お店も開いている気配もない。特に観光をしたいと思っていた訳ではないので、そのままスルーしながら山頂に向かって走る。気温がどんどん下がってきてるのを肌で感じながら、四国カルストの道表記を見つけ脇道に入っていく。

 有名な観光地みたいなので、正直走りやすい道を期待していたのだが、残念ながら対向車が来たらしんどいなと思うほどの細い山道だった。森の中を走っていく感じでうねうねとした道をどんどん登っていく。周りに立ち込めていた霧はさらに濃くなり、視界が奪われていく。途中で着込んでいた防水カッパがびしょびしょになっていくのを感じながら、視界の悪い道を進んでいくと、四国カルスト公園の看板が出た。ここからカルストに入るらしい。しかし、この霧…、山頂では霧が晴れるミラクルを期待した。

 山頂を目指しひたすら進んでいると、反対側からビショビショになったライダーが向かってくる。こりゃ期待できないなと走っていると、道が上りから平面へ。森の木も見えなくなり、いよいよ開けた高原へ。

 はい、もちろん全く視界がありません。なんなら10メーター先が見えないほどの濃霧。そして激寒。あー、普段の行いが悪い自分にそんな簡単に奇跡は起こらない。とりあえず前から車が来たり、または後ろからでも突撃されるんじゃないかと思うほどの濃霧の中、慎重に高原の一本道を進んでいく。

霧で何も見えん

 途中、いきなり視界に牛が入ってきた。うぁーこれ、晴れてたらすごい景色だったんだろうなと、普段の自分の行いを恨みつつ、そして濃霧の中から突然現れる車に激突されないようビビりながら慎重に走っていく。しばらく走ると再び森の中に入り、今度はぐんぐん高度が下がっていく。映画『ミスト』ならとっくに僕は死んでるが、視界に映る濃霧は少しずつ霧へ、そして標高とは反比例するように気温が上がっていく。だんだん視界がひらけ、だいぶ暑さも戻ってきた頃には、再び大きな道路へ戻ってきていた。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)


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