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お笑いコンビ「カイキエン」を解散し、芸人を辞めた私。【心は全裸で #17】

皆さんごきげんうるわしゅう。
カイキエンというお笑いコンビで活動していたイチジョウコウタです。
ひとつよしなに。

お気づきでしょうか。

上記の書き出しが「カイキエンというお笑いコンビで活動している」から「カイキエンというお笑いコンビで活動していた」に変化していた事に。


はい。
この度、2021年春頃から東京を舞台に活発に活動していたカイキエンというお笑いコンビは2023年夏に解散、そして霧散しました。


いやー、、、
私が1番びっくりしました。

解散に至るまでの詳細な経緯はYouTubeにて語っていますので、宜しければチェケラし腐ってくれ。


このnoteは、YouTubeで語られていない私の気持ちと今後について徒然なるままにのヤツです。



芸人をやっていると毎日の様にコンビ解散のお知らせを目にする。日の目を浴びていないが可能性を秘めていたあのコンビから、私は好きじゃないが言わずと知れたあの人気コンビまで。


まさか自分が唐突に肩を叩かれるなんて。

「ほい。君の番よ。」


解散の悪魔に。


その時は音も無く忍び寄って来た。


その日私達カイキエンは、都内の喫茶店の個室にて待ち合わせをしていた。


この夏キングオブコント1回戦落ちをかました2人は、ひとまず今後の事を話し合おうとなった訳だ。



いつもと変わらずちゃちな挨拶を交わした後、他愛の無い雑談をちちくりあった。


ぼちぼち頃合いかな。
そう思ったイチジョウはiPhoneのメモを開き、あらかじめまとめておいた今後の戦略をホワイトボードに書き出していった。


コンビとしての課題、個人としての課題、YouTubeの方向性、ネタの改善点、プライベートについて。


それらを幼子から変わらぬ愛嬌たっぷりのまる字で書き終えた時、相方のトシキはんが臭い口を開いた。


あ、もう相方じゃないからいじらない方がいいですね。名誉毀損にあたりますもんね。


見るもとても美しく、麗しいお口を開きなさった。(臭)


「あのさ。」


不思議と私はその一言で、全てを悟った。
皮肉なもんだ。相方だから分かるさ。


そこからは先に貼った動画にあったように、彼がもうお笑いを続けられない事を説明された。


私は怖いくらいに落ち着いていた。


彼の人生だ。解散の申し出は私に否定できる筈も無く、事務所への連絡や世の中への公表はどうするかなど事務的な話をしてその日は終わった。


意外にもあっさりしたものだと思った。


高校のクラスメイトから始まり10年程の付き合いだったが、終わる時はこうもあっさりと。


やはり私には心が無いのか?
骨の髄まで冷え切った要冷蔵人間なのか?



その日私は相方との打ち合わせを終えたあと、友人と会う予定があった。


私たちはLINEで軽いやり取りをし、駅近くのセブンイレブンで集まろうと決めた。


駅から出てセブンに向かったが友人の姿は無かった。それから10分待っても友人は現れなかった。


痺れを切らし電話をかけたところ、駅からもう少し離れた箇所に別のセブンイレブンがあり、友人はそこで待っていたとのこと。


その後無事友人と合流。


友「駅前のセブンは私にとってこっちのセブンなんだよ、ナハハ。ごめんごめん。」

イ「ならそう言ってよ。ちょっと待ったじゃん。」


友「いやー、ごめん。」


イ「……」

友「…イチジョウ?」

イ「あっちのセブンまで迎えに来て欲しかったんだけどぉぉぉぉ…!!!!」


26歳にしてセブンにお迎えに来て欲しかったと号泣してしまった。


思えばあの時、堰き止めていた感情が友人に会って溢れてしまったのかもしれない。


セブンで。


その後カイキエンは、SNSを通して解散を発表した。


解散を惜しんでくれたファンの方は少なからずいたし、友人からも久しぶりに連絡が来たりした。


あぁ。私はみんなの記憶にいれたんだ。


そんな風に安心してしまう、卑しい自分がいたりもした。


芸人を辞めた私は、それからしばらく腑抜けた生活を送った。
アルバイトから帰っては、今まで観たかった映画を片っ端から観漁った。その繰り返し。



いい映画を観る度感動し、あらゆる感情が湧いた。


それと同時に、その感情を表現する場所を持ち合わせていない事実を悲しんだ。


今までの自分の人生は、芸人として表現をする事を至上の悦びとしその為に生きてきた。
いずれ芸人として成果を上げる事で、誰かの感動を生み出す。だから今私は生きていていいのだ。


しかし、その命題を失った自分は何のために生きていくのか。生きていていいのか。


私がこの世を去っても世の中への損失は両親が悲しむ事だけだ。それだけ。



でもそれは嫌だ。生きていよう。



そんなくすんだ惰性で、情けなく生活にしがみついている。



でもきっと、まだ火は消えていない。


素晴らしい映画を観ると、この感動を自分なりの形で誰かに渡したいと思う。


面白い体験をしたら、この話をして誰かを笑わせられるんじゃあないかとニヤリとする。


なんの成果も出していなければ大して若くも無い。


誰も期待していない。


でもこの小さな火が揺れ続けている限り。
もう少しいいんじゃないかと思う。


まだ歩く。


自分が好きなものをまた始めてみようと思います。


まずは音楽。
これまで沢山のエネルギーを貰い、憧れていた。
それは自分にとってお笑いとは違う、もう一つの意味にしたいものだった。
ひとまず楽曲を制作してリリースまでやってみます。


そして等身大の面白いコンテンツ。
これは芸人としてじゃなく、1人の人間として本当に自分が好きな面白さを表現できるもの。
それはYouTubeかも知れないし、他のメディアを舞台にするかもしれない。
でもダサい事はしたくない。


このnoteも。
考えを文章にしてやることで、思いが形を得ていく感覚は大切なものだと感じる。
これからは投稿頻度をグイと上げていきたい。
映画の感想を自分なりに書いてみてもいいかも。



とりあえず動いてみます。


SNSも作り直すかも知れません。


また報告しますね。
これからもよろしくお願いします。


生きてる生きてく
by 福山雅治



◆執筆中に聴いていたグッドミュージック◆
Wind Rise / KEIJU,JJJ

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