花惜月

もうこれ以上望まなければ苦しまないで済むのに
脳裏に焼きついた高揚が頭から離れない
焦燥に駆られて動き出す僕を
世界が見離そうとも

これからも願う君の幸せの
一部になることができたのなら
共に歩もう似た道を
少しずれたって大丈夫
馬が合わなくたってやっていけるさ
だって僕たちは人間だもの
冬の寒さを消し去るような
柔らかい春の風

分かりたいんだ 優しさの意味を

これほどの痛みはもうないと
君の存在を知ってから
君が不意につくため息さえ
つい大袈裟に考えてしまうよ



心の友と呼んでいたものが       
いなくなり心に空いた穴
置いていかれたのか置いていったのか  
わからないけれど残る悔しさ      
寄り添うことの意味にすら気づかず   
追いつくことしか考えてなかった   
夏の暑さに焼かれたような
届かない声の跡            

見つけたいんだ 助け合う意味を    

どれほどの悲しみを目にして      
君の優しさは歪んだの
全部なんて言わないから  
君の心に触れたいんだ

もうこれ以上望まなければ苦しまないで済むのに
脳裏に焼きついた高揚が頭から離れない
悠々とどこかを繋ぐ空と
芽吹きかけた花

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