ピント
AF(オートフォーカス)が全く性に合わない。あ!今だと思ってシャッターを切ってもなんだか微妙にタイミングがズレているような気がしてならない。しかも最新の瞳認証AFは顔のところにグリーンの四角いのが常時チラチラしてモデルの表情がよくわからない。なので最新ミラーレスカメラにマウントアダプターを使用してMF(マニュアルフォーカス)レンズをつけて撮影しているのだが、やはりこちらのほうがしっくりくる。
長年、人物を撮影していて気がついたことがある。それはピントを合わせやすい人、合わせにくい人がいるということだ。落ち着きがなくて常にソワソワして動いてるからピントが合わせにくいとかそんな話ではない。『目線お願いします』と声をかけて確かにこちらに視線を送ってくれているはずなのになんだかファインダーの中では視線が合わないような気がして?と感じる時はピンボケのカットが多いのだ。もっとわかりやすく例えるとその人物自体がわずかにズレて二重に見えるのだ。(目が疲れていただけなのかもしれない。)そういう人はスタジオ内でよく転んだりモノにつまずいたりして危なっかしいという共通点がある。地に足がついていない感じ。ではその逆にピントが合わせやすい人はというとずばり体育会系の人。明るく元気でハキハキしてこっちまで元気にさせられそうになる人だ。こういったタイプの人はバッチリとピントが合う。
最新式のミラーレスカメラでは『写真によくある失敗』手ブレ、ピンぼけが起きない設計になっている。それ自体は素晴らしい事なのだがわざとブレたりぼけたりした写真を撮りたい時にカメラの設定を変えなきゃいけなくてそれがかなり面倒くさい。そういった設定をあらかじめ登録しておいて呼び出せば良いのだそうだが、、、そのうち手ブレ補正無しでホワイトバランス5500°Kの完全マニュアル『クラシックカメラモード』が搭載されたりしないかな。
ロバートキャパが撮影した有名なノルマンディー上陸作戦の写真だって手ブレピンぼけしていた上に現像失敗して粒子ザラザラになっていたからこそあの臨場感が生まれたのではと思う。あの写真がもしHDRでジャスピンでブレていなかったら。考えるのやめておこう。
ある時、知り合いのカメラマンに普段使っているカメラや照明機材を見せてほしいと頼まれた。『へえー蛍光灯なんですね。ISO感度1600から3200!ノイズ出ませんか?え、手持ちでシャッタースピード1/90?しかもキヤノンにライカのMFレンズってピント合います?』
後日、『同じように撮影してみたらピンぼけ手ブレが酷くて全く使いものにならなかった』というクレームが来た。普段、自分はどうやって撮影しているのだろう。不思議だ。
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