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読書日記『太古の奇想と超絶技巧 中国青銅器入門』

根津美術館で初めて見たのは何年前かはっきり記憶してはいないけど、それ以来、古代中国の青銅器が好きです。
見るものを引き付ける不思議な力強さ、まるで宇宙空間にあっても違和感のない、どこか時空を超越した文様や形態。
そんな中国青銅器の入門書がついに出てくれました\(^o^)/

『太古の奇想と超絶技巧 中国青銅器入門』山本堯、新潮社 (2023年)

「とんぼの本」の一冊なので、図版が沢山!しかし、文章もかなり充実してます。
祖先をまつる儀式のためつくられたという青銅器ですが、そもそも青銅とは銅と錫の合金、といったことから、青銅器の種類や各々の用途、鋳造方法、鋳込まれた金文(中国古代の文字)、さらには青銅器鑑賞の歴史や日本で見ることができるミュージアム一覧まで付いていて盛り沢山。

今まで美術館で青銅器に出会うと「ほえ~、格好いい~!」と文字通り見ているだけだったけど、こうして周辺知識を知ると、また違った角度で鑑賞できそう。

どうやら日本語で書かれた青銅器入門書というものはほとんどないようで、そういう意味でも貴重な一冊です。

中国青銅器の文様のひとつに「饕餮紋(とうてつもん)」があります。
怪獣を表している文様なんですが、(饕餮・・・十二国記にも出てくるよね)
中国の某ドラマを見ていた時、装飾に饕餮紋っぽいのが出てきて「おおっ!」となりました。

青銅器に興味がない方も、まずは図版をぱらぱらめくってみるのはいかがでしょうか。
もしかしたら好きになるかも?

ちょっと興味がわいたのが、当時のお酒。
この本によると、 当時、儀式やもてなしに用いられた酒は、香草の煮汁で香りづけをしたそうです。
どんな香りだったのかな、と遥かないにしえに思いをはせつつ、読了。

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