親とは


両親とも入院している。

父親の容態が悪くなったというので
急いでかけつけた。

いつ急変するかわかりませんと言われている。

この土日、悔いの残らないようにしようとした。

しかし、まだ覚悟はできていない。

明日から仕事が始まるので、新幹線に乗って自宅に戻ってきた。

死に目にあえないかも知れない。
遠くに住むのはそういうこと。

親が元気な時には、親の有難みがわからなかった。

いつでもいつまでも生きていると思っていた。

そういうものじゃないとわかっていても、わかっていなかった。

風貌がすっかり変わってしまった我が親。

若き日の父の顔じゃない、母の顔じゃない。

視覚からショックを受けた。

明日から仕事が手につくだろうか。
集中できるだろうか。
落ち着かない。

両親はいつも笑っていた。

両親はいつも包んでくれていた。

それに気づかずにいた。


病院からいつ電話がかかってくるかわからない。

気持ちが押し潰されそう。

親がこんなに偉大なことに今頃気づくなんて。


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