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親の覚悟

中学受験をする予定の娘が小学五年生になった。
週3日、お弁当を持って塾に行く。
塾の宿題に追われ、他の習い事も続け、土日祝日も勉強。
中学受験をする子どもなら当たり前のことだろう。
いや、もっと勉強をしている子どもはたくさんいるに違いない。
が、私自身、中学受験をしていないので、自分の小学五年生の頃を思い出すと、信じられない日常である。

幸い、塾の授業は面白いらしく、辞めたいと言ったことはまだない。
ただ、思い通りに勉強が捗らないときや、全くやる気が出ないとき、テスト結果が悪いときなど、イライラしているときも多々ある。
イライラして、不機嫌をまき散らし、八つ当たりのようなことをしてくる。
八つ当たりをするなと私が怒り、娘が泣く…このサイクルがしばらく続いた。
何度も中学受験を止めようという話もした。
が、娘は「中学受験はする」の一点張り。

この悪循環を絶ちたかった私は娘に言った。
「中学受験をしたいという気持ちは毎日、勉強を頑張っている姿から分かっている。勉強が捗らないときのイライラも分かる。なので、ママもあなたの八つ当たりを受ける覚悟をした。八つ当たりしても、それは頑張っている証拠だから、もう怒らない。」

娘はどのように受け止めたのか分からない。
それから八つ当たりが全くなくなったわけではないが、少なくなった。



今は小学三年生の息子が幼稚園だった頃のことを思い出す。
息子はその頃から突拍子もないことをしでかす子どもで、それを止めるのに私は必死だった。
ほぼ毎日、突拍子もないことをしようとする前に止めに入り、怒っていた。
怒ることで、毎日、疲弊していた。
息子の行動を止めることは無理!とようやく気付いたとき、「息子が迷惑をかけたときに後できっちり謝る覚悟」と「息子が怪我をしたときに慌てずに対応する覚悟」をした。
それからは少し心穏やかになれた。



子育ての根本は、“親の覚悟”なのかもしれない。
“諦め”に近いのかもしれないし、傍から見れば、育児放棄にも捉えられるかもしれないが、私の中では“覚悟”。
ウダウダと悩み、落ち込んだ後、ギュッと帯を締めるように、腹をくくる。
その瞬間、我が子がどんな悪人になっても、受け止めてやる!と思える。

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