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10年前の夏の日②

この記事の前編(連続性は特に無い)

2013年夏の青春18きっぷの旅、この記事では
・8/19(月)★:御殿場線・身延線
・8/29(木):信越本線長岡ー長野(当時)・飯山線
を題材とする。

3日目 トンネルと山道と

月曜朝の東京駅、この日の旅はここから始まった。当時完成から日も浅い東京駅丸の内のドーム駅舎から東海道線に乗って富士以東のJR東海路線…すなわち東海道本線と御殿場線、そして身延線を乗り潰す。まさかこの数年後には何度も沼津に行くのが当たり前になり馴染みのルートになるともつゆ知らずに初めて乗る区間、さらに言えばこの1ヶ月後には大学のゼミ合宿で三島まで乗ったのだが丹那トンネル初乗車はこのタイミングとなった。

熱海駅で出会った伊豆急行

この時まで西に行くとしても東海道新幹線ばかりだったため在来線はこれが初めて、まずは丹那トンネルをくぐってから沼津で折り返して国府津まで戻り、元々東海道線だった歴史を持つ御殿場線を乗り通すという順番だ。

313系

今となっては見慣れた313系ロングシート車もこの頃の自分には新鮮な見た目、そもそも313系自体それまで何回生で見たんだという状況だったわけだが…当時かろうじて何度か眺めていたのは211系。これは小学生時代に大井川鉄道を訪れた際に乗っており、この後沼津で再会する。そんな313系で沼津まで行ってから乗車する御殿場線、静岡地域の313系では比較的珍しいボックスシートの3000番台である。

御殿場での離合

御殿場から沼津は国府津方面と比べて本数が多く、沼津・三島方面の都市近郊路線としての機能もある。小田急直通特急が廃止されて以来鉄道趣味的な注目度は下がっているのは否めないが、沿線には静岡県東部でも人口が増加傾向にある長泉町やアウトレットがあり地域における鉄道の機能にも期待ができる。

静岡に向かう211系

沼津から静岡は211系、当時は新型の313系に対してベテランの211系といった印象だった。113系や123系の記憶も割と色濃かったような時代だ…時は流れ今となってはその211系も引退が近い。更に先には313系すらも懐かしいと思う時代がやがて来るのだろうか。

特急「ふじかわ」

乗り継ぎの間に静岡から来て先に甲府に向かう373系特急「ふじかわ」を見送る。5年後に乗ることになるこの特急は(JR九州のD&S列車のような明らかに用途が異なるものを除き)最も遅い特急の一つとも言われているが最大の対抗馬であるはずのバスが土日祝のみ1日2往復、昨今の2024年問題に代表される社会的情勢を考えると更なる増便も期待しにくい状況であるのに対してこちらは概ね2時間に1本で1日7往復が運行されており、イメージの割に意外と乗りやすい列車である。

3100番台の甲府行き

ここからは甲府行きの313系3100番台、ボックスシートを採用した3000番台の増備車で2編成しかいないレア仕様。とはいえ乗ってしまえば大きく変わるようなところはなく無人駅ではドアが開かない後ろ側のクモハでゆったりと身延線の旅を楽しむ。

甲府駅からは今はなき115系、今になって思えばスカ色の115系が頻繁に走ってくる様子は垂涎モノ…

甲府駅で発車待ち
顔同士を突き合わせ
信州色もここに

4日目 また山を越えて

115系S-12編成

もうこの夏3回目、一応今回で最後のムーンライトえちごを降りてからもうすっかり見慣れた弥彦線115系を見送り長岡行きの115系に乗り込む。しばらく前に通りがかった長岡駅に向かっていく列車に乗るのはおかしなことのように思えるが、どのみち長岡から乗る信越本線は変わらない。それなら車内でくつろぐことができる上に1つ多く列車に乗れる方がありがたい、オールMの力強い加速でいま来た道をひたすら走り着いた長岡駅からは5両編成の直江津行き。

非ユニット窓のS-13編成
後ろ側から

柏崎までは内陸を走り、そこからは日本海縦貫線の名に違わぬ海沿いを駆け抜ける。青海川駅に代表される日本海をカメラに収めることは叶わなかったものの夏の穏やかな海を満喫しての直江津駅には475系もまだ走ってきていた。

100周年記念ステッカー

ここからはこの旅から2年を待たずしてえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインという名前に変わった信越本線、この頃は長野地区の115系が走っていた。またこの時は縁がなかったものの普通妙高号として三セク転換の直前まで特急型の189系を使ったいわゆる「乗り得列車」が一定本数走っていたことも注目点だろう。

長野地区の115系
新幹線が長野までだった頃

長野駅からは飯山線、千曲川そして名を変えて信濃川に沿って走るローカル線だ。信濃川沿線ということでJR東日本の水力発電所もありまた日本有数の豪雪地帯を走り抜ける。新幹線によるアクセスも割合容易であることから北陸新幹線金沢開業に伴って"TOKYO"の逆読みから名付けられた観光列車「おいこっと」が運行されており、観光列車としての運行がない日にも普通列車として運用されているとのこと。終点の十日町駅はほくほく線で越後湯沢に出やすい駅でもあり、東京圏から日帰りで旅を楽しめるようデザインされている。

単行で終点に着く

長野発車時には2両編成だった列車は途中の戸狩野沢温泉で後ろ側の1両を切り離して単行に、冬には一体どんな景色になるのだろうというような山の中を走っていき新潟県内の十日町で一休み。ここで駅そばをいただくと終点の越後川口も近い。

越後川口にて、雪国を感じる
上越線

ここまで来てしまえば旅は早くも終わったような気分、魚沼の緑を眺めてくつろいでいる内に列車は上越国境にどんどん近づいて国境の長いトンネルに入り、それを抜けたらもう関東平野だ。残りの自分持ちの青春18きっぷはあと1枚、身近なはずなのに乗っていなかった路線が2つほどあるじゃないか。よし、今後は夏の名残を感じながらその路線に会いに行こう。

10年前の夏の日③

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