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ついに始まったThreadsとTwitterの将来

まだ始まっていないはずだったサービスが早くも世界を席巻しつつある。Facebookはともかく画像共有SNSとして10年以上続き、SNS界での主導権をいまだ握り続けているInstagramを擁する(Facebook→)Meta社が本日7/6(日本時間)に送り出したテキストベースの新SNS"Threads"のことだ。日本時間の本日朝にリリースされて7時間という短時間で早くもユーザは全世界で1,000万人を突破。インスタの登録者数が1,000万人に達するのに11ヶ月掛かった(これでも急成長に入るのだが…)ことと比べると恐ろしい位のスタートダッシュになっている。ちなみに本来のリリースは本日23時、15時間早くリリースされたと思ったらその間にユーザ数が爆発的に増加している。

このThreadsの強みといえば何といってもこれまでのInstagramでの強みだった多くのユーザーをそのまま引き継げていることだろう。筆者も既にThreadsの利用を開始しているが、アプリをダウンロードすれば数タップで使用開始までこぎ着けられる。Twitterと並行してインスタのアカウントを持っている人は少なくないが、ほぼそのまま使用してアカウントを作りフォロイー/フォロワーも引き継げるというのはこれまでの新SNSにはない特長だろう。

直近のAPI制限の前、イーロン・マスク氏によるTwitter社買収以前からTwitterユーザーの間では不満が聞かれ時折マストドンなどのSNSに移行しようという動きがあったもののいまいち決定的な動きは発生していなかった。そもそも今回のThreadsが「Twitterキラー」になるのかというのも定かではなく、ある程度の棲み分けに至り共存する可能性が高いと思われるが常にTwitterの次と目されるサイトは話題に上がりつつ限定的な範囲に収まってきた。

なぜ決定打とされるサイトが無かったか、それは多くの人はTwitterで構築した関係を概ね維持したままの移動を望むためここに行こうというコンセンサスが取れるようなサイトでないと移行する動機付けがなかったのではないだろうか。もはや先カンブリア紀の話をするような気分になるが、Twitterの前に日本語圏で匿名志向のネットユーザーが多くいたのは2ちゃんねる(5ちゃんねるなんて筆者は認めない)ですなわちその住民というのはいくら煽りに顔真っ赤にして必死にマジレスしまくろうが24時間で変わるIDが個人の識別に使われるほぼ唯一の手段で、ごく一部のユーザがコテハンを名乗っていた。Twitterは少なくないユーザにとって初めてのネット上で人格を持てる場所だった。そこで構築した関係は唯一無二というのは一定あるだろう。Twitterのこれまで構築されてきた人間関係というのは他のサイトでは完全に再現することは現実的には不可能で、Twitterならではの人間関係というのは今後も残り続ける。

ただし、それでもThreadsはTwitter(の日本語圏ユーザ層)にとって大きなインパクトになる可能性がそれまでの競合他サイトよりかなり高い。既にそれなりに多くのユーザを掴み人間関係がある程度あるインスタのリソースをそのまま持ち込めることが草創期のThreadsの大きな武器になっており、発信力があるインフルエンサーをほぼそのまま迎えられるのは強力な武器になるだろう。もっと身も蓋もないことを言うとこと日本語圏の匿名志向ユーザ層については「女性声優が一気にアカウントを作るからオタクもアカウントを作る」ことで既存の人間関係がある程度トレースされる可能性は高い。即座にTwitter終了という結論に導こうとするのはあまりにもナイーブに思えるものの、Twitterには改めてその非代替性が問われる状況になっていくだろう。

ともあれ、Threadsが出たからTwitterが終了という結果には繋がるまい(Twitterが自爆という可能性は勿論あるが)。ただしTwitterユーザにとってこれまでになく親和性の高いコミュニティであることは確かで芸能人やコンテンツの公式アカウントはTwitter、そしてインスタ以来の新ツールとして定着するだろう。Twitterアカウント開設後ブログの更新がなくなった芸能人は少なからず居たが、インスタとThreadsに発信源を集約するような人は相当数出てくるのではないだろうか。そういったアカウントの発信を追うべく一定数のフォロワーも「引き連れ」られてアカウントを開設するのでTwitterのプレゼンス、非代替性は2,3年というスパンで見るとTwitter普及時の2ちゃんねるのように下がってしまう可能性すらあるのではないだろうか。

2点ほど懸念点とされるところとしては
・所謂オタク層にインスタは相性が悪い
・いくつかの機能が不足している
だが、これについては筆者は概ね楽観視している。
まず相性については筆者が社会不適合オタクでありながら特段の問題なく7年位インスタアカウントを運用していること(殴)…冗談はともかくフォロー相手や投稿、いいね等により流れてくる投稿は大きく変わる。敢えて気にしようとしない限り特段「キラキラ投稿」を見る機会はないのが実態だ。そもそもTwitterすら日本語圏で知名度が上がってきた2009年ころには2ちゃんねらーに概ね今のインスタユーザに近いステレオタイプを持たれていたという点で、結局ユーザ次第というところが大きい。
次に機能については現段階のリリースはサーバに負荷がかかる機能はおそらく意図的に絞られている。超アーリーアダプターしかいない時期なので後日実装の機能が多く入ってくるだろう。どちらかというと向こうしばらくをお試し期間と見るべきか。

最後に個人的なファーストインプレッション、筆者の場合朝9時前にインスタ経由でアカウントを開設して14時間弱。ちょうどAPI規制によるTwitterの混乱もあって直前でインスタでの相互フォローが進んでいたためもあって人間関係はそれなりに持ち込めてきたなという印象。また芸能人…というか観測範囲内の声優さんもどんどんアカウントを開設していき見るたびに人が増えていく様子を見ることができたのはコミュニティの立上げ独特の光景だろう。もちろん今の時点ではごく初期の状態に過ぎないので来週どうなっているかというのは予測しにくい状況にある。実際のところ投稿とリツイートに相当する再投稿(これも名前が変わりそうな…)、いいねと一部しか機能を試していないが今後の変化含めて興味深い段階にあると思う。今後の変化を含めて俯瞰するなら早い目に手を出しておいたほうが良さそうだ。

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