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3月改正巡りと称したスマホでの記事作成

去る2023年3月18日、ダイヤ改正により651系・キハ183系引退や所謂「うめきた新駅」が開業しおおさか東線直通開始や阪和線方面特急列車の運行が始まったことが注目されている中で関東での大きな変更点は以下の2つだろう。
・相鉄東急直通線開業
・JR京葉線「幕張豊砂駅」開業
前者は神奈川東部方面線の完成型にして東急東横線及び目黒線双方から直通列車が入り、複雑なネットワークになったと評判になっている。同時にこれまでは菊名駅からのJR横浜線乗換が必要だった東横線から乗換無しで行けるようになりネットワーク性が大きく向上した。
後者はイオンモール幕張新都心に隣接した新駅で、すぐ横に京葉車両センターがあることや下り線は地上で上り線は高架という特異な構造が興味深い。

…というわけでダイヤ改正当日は激混みでまともに見れたものではあるまいと判断し直後の火曜、祝日とはいえ幾分かは混み具合もマシであろうというタイミングにそれらを訪れた。新横浜線については駅のみならず一旦完乗したはずの両社に未乗区間が発生したため放っておく気になれなかったというのも大きいが。

幕張豊砂駅

まず向かうは幕張豊砂駅、しかしながら武蔵野・京葉線沿線というのは東武野田線沿線の筆者にとって微妙に行くのが面倒な立地だ。短距離だけ常磐線の各駅停車やつくばエクスプレスに乗って混雑した武蔵野線に乗るのも億劫…ということで船橋まで出て総武線緩行で幕張本郷、そこからバスで向かった。

駅正面入口

この駅の最大の特徴は上下線でホームが地上の下り線と高架上の上り線とで分かれているということだろう。地下鉄では幅員が狭い道路の下などで度々ある構造だが、地上の駅ではかなり奇異に映る。関東圏の類似例としては宇都宮線東鷲宮駅辺りだろうか…どうでもいい気付きだが、どちらも上り線が高架「上」で下り線が地上すなわち「下」に造られている。用地などの兼ね合いの結果ではあろうがそういう覚え方も出来るのかもしれない。上りプラットホームに行くにはもちろん階段やエスカレーターが必須だが下りについても段差があり、数段の階段を登り降りする必要があるのは致し方ないとはいえ少し惜しいところだ。

駅前にはイオンモール

元々この駅はイオンモール幕張新都心の最寄駅としての整備を意図したものなので駅を出ればすぐにイオンモールの北部やコストコがある。特にイオンモール全体でも比較的北の方にあるイオンシネマ等は海浜幕張駅から歩くと優に1km以上(しかも半分近くはイオンモール外)歩く必要があったところと比べると雨天時中心にだいぶ快適になったと言える。

イオンモールがすぐそこ、雨にも濡れにくい
上りホームから見る駅舎

駅の西側はこのようにイオンモールが目の前にあり、この駅の存在価値を雄弁に語っているが東側にはもう一つの顔がある。

京葉車両センター①
京葉車両センター②

下りホームからこのような景色が見えるというと他はJR西日本の博多南駅等だろうか、そう多くの場所で見られるわけではないホームの目の前が車両基地という電車好きの子供などにとってはたまらないスポットが生まれた。更に京葉線は京葉線E233系に加えて武蔵野線や特急列車、そして時折貨物列車が通過するので走る列車のバリエーションも豊富だ。そういう子供を連れた親御さんがいたら是非注意してほしい、程良い間隔で電車がやってくるので1時間は動けなくなってしまうかもしれないから。

相鉄・東急直通線

新横浜駅の駅名板

東京西部に大きな相互直通運転ネットワークが生まれた、新横浜をハブとした相鉄、JR東日本、東急、東京メトロ、横浜高速鉄道、都営地下鉄、東武、西武、埼玉高速鉄道、東京臨海高速鉄道の10事業者によるネットワークである。これにより特に相鉄・東急線沿線からの東海道新幹線アクセスが向上し中長期的には横浜線乗換え橋本駅からの中央新幹線(この進捗はともかく)アクセスにも資する。
2019年には第一期線として羽沢横浜国大駅から西谷駅が開業しておりJR埼京線経由で相鉄の列車が東京都心に乗り入れていたが、今回の東急線直通開始により東急東横線(→東京メトロ副都心線・東武東上線)や東急目黒線(→都営三田線)への直通が増え複雑な運行系統に変貌している。昔であれば横浜始発で本線あるいはいずみ野線、急行は二俣川までノンストップで以後各停とシンプルこの上ないものだったが今は横浜行きとそれ以外、JR直通か東急直通か、東横線か目黒線かという分岐の多さ。これなら行先表示なんて今やほとんどがLEDなのだし何線に行くかをまず出してしまうのが良いのではないだろうかというほどの行先の多さも鉄道ファンからすれば見ものか。まあ東横線か目黒線なら間違えたところでしばらくは並走するので武蔵小杉辺りで乗り換えれば大きな差は無いだろうものの。

東京メトロ南北線9000系、まさか新横浜まで来ようとは

複雑極まりない運行系統で特に注目すべき運用やそれに対する懸念はいくらでも着目されているので、筆者が思わず気になった点としては車両デザインだった。たとえば上の写真の9000系等は0x系シリーズの系譜だが流石にデザインに年季を感じる、と言っても比較対象が三田線の最新型6500形や東急車、そして相鉄の直通対応車なのだから無理のない話ではあるのだが。この車両の元々の活動範囲たる南北線の場合スクリーン式ホームドアなのでそもそも目立たなくなってしまうものの、近年ホームドアとして設置されるものはほとんどが一般的な身長の人にとっての胸くらいの高さなので最近の通勤電車のデザインは「重心が高い」傾向にある。日頃はあまり意識しないものだが、様々なデザインの車両が行き交うこういった場ではふとしたきっかけでこのことに気付かされた。

そして相鉄が直通運転開始に備えて利用者に相鉄ブランドをアピールすべくデザインした"YOKOHAMA NAVYBLUE"の存在感はこの日のためにあったのだと改めて納得した。JR線内でもほとんどがステンレス車体に窓の上下にラインカラーの電車の中での紺一色は目を引くものがあるが、鉄道ファンですら今走ってきている電車はどこの何系か即答するのが難しい位のバリエーションがある東急線内でも「紺色の相鉄」はやはり目立つ。都市近郊の鉄道事業者にとってこれからは乗客、あるいはその候補になる地域住民を奪い合い、そして勝ち取る時代である。その中で間違いなくポテンシャルはあるにせよ相鉄というこれまで沿線地域以外での注目度が低かった事業者がまず自社を知ってもらう、候補に入れてもらうためにはどうすればいいのか。その試みは今まさに東京の地下で、その周辺で始まっているのである。

どこを通ってどこに行くでしょうか

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