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英仏旅行in2024, Part 2

まえがき

  • ひたすらに長いので気が向いた時にでもどうぞ。

  • 旅程まとめ:HND / 東京 --> CDG / Paris, France -- Eurostar --> London (UK) -- Eurostar --> Paris, France --> CDG --> NRT / 千葉

  • 登場人物:ちゃろ(筆者)、夫氏、おとものひよこぬいぐるみ×2

  • 前回までのあらすじ:パリ/ロンドンを訪れる新婚旅行に出掛けたふたり。度々訪れる胃腸への攻撃にどう立ち向かうのか――

フランス-->イギリス

DAY3, 6 JUL, Sat.

3日目は移動日兼イギリス1日目。また同じホテルに戻ってくるので荷物を預かって貰うよう依頼。(事前にメールで確認済み。荷物倉庫で預かってもらえるが自己責任)チェックアウト後、北側を通るバスでパリ北駅へ。滞在したホテルは17区のポルトドクリシーにあるのだが、治安の境界線上みたいな場所だった。近くのスーパーを過ぎて数分すると古びた商店街のシャッターには大胆な落書きばかり、ウィンドウも汚れていて人通りも少なく、一軒ずつのスペースも少ない。(パリには余白がない程石壁という石壁中が落書きまみれなのだが、それでも何と無く治安が悪い雰囲気なのだ。タッチや色彩とかそういった感じ。)街の彩度が失われて、喧嘩のような声も聞こえてくる。さらに進むとセクシー商店街に突入。ムーランルージュのあたりである。有名な観光地のすぐ脇はホットなので迷い込む旅人がいないか心配になる。このあたりまでくると身の危険のある治安の悪さよりも、福岡・中洲や東京・歌舞伎町の進化版というような別ベクトルの治安の悪さだ。一人歩きはおすすめしないが、まだ安心できるといったところ。アチチゾーンを過ぎるとパリ北駅の付近。こちらもあまり治安はよくない。街も綺麗とは言えないので足早にユーロスターへ向かう。

Gare du Nord

ユーロスター乗り場を目指して上の階へ。ここまで来るとちょっと安心できる。よちよち歩いて行くと、人の空いたQRコード読み取り機がある。これ幸いと試してみると弾かれてしまい対面改札へ。その後も悉く弾かれていた。さらに言うと帰りのCDGまでこの手の読み取り機では半数以上が同じ感じ。出国手続きを済ませると免税店が。化粧品売り場、コンビニ、チョコ売り場、パン屋など。ロクシタン売り場も発見したので入浴剤を購入。(この入浴剤は後のイギリスホテルで大活躍)

おしゃれだね

 ユーロスターの出発時刻約15分前になると、デッキへの入場ゲートが開く。デッキからエスカレーターで階下へ降りるとすぐに乗り場だ。ユーロスターではランダムに向かい合わせになる椅子や机があり面白い。乗客は自由に空いている席へ移動していたりと新幹線っぽい部分と違う文化が混ざっていて趣深い。中央の天井から下がるモニターでおしゃれなアニメーションが流れるとともに出発だ。ユーロスターではSIMとFree Wi-Fiを駆使すれば概ね通信をエンジョイできる環境だ。Noteを書いたりしながらのんびりと到着を待つ。

ユーロスター コンコースデッキ
ユーロスター

降りるとそこはセントパンクラス駅。駅構内からバシバシの煉瓦造りが格好いい。白い石造りも風情があったが、断然煉瓦浪漫派なのでロンドンに居るだけでテンションが鰻登りだ。駅構内を出ると一段と冷え込んだ空気と雨、早速ロンドンの洗礼を受けた。草木の匂いが立ち込めるが、人工的な息苦しさが少なくて良い。空気は気持ちが良いものの、ユニクロの折りたたみウィンドブレーカーでは薄手過ぎたので長袖を買うことを決意。

St. Pancras
ロンドン市街

まずはホテルにチェックイン。セントパンクラスから徒歩15分程の場所。近くには大英博物館や大学があり、治安が良いうえに駅や飲食店も多くて有難い。日本料理や中華料理店も多い。1階のレストランではスポーツバーを兼ねているようで、ユーロカップを応援する客で賑わっていた。ホテルでは冷蔵庫はないがそこそこの広さ、低価格好立地、綺麗めでケトル付きなので十分といったところ。惜しむらくは、洗面所のドアを開けておくと水回りの臭いが部屋に染み渡ること。ご丁寧に清掃の度に開けておいてくれるので、都度喚起のやり直しである。ロクシタンの入浴剤は開封せずともいい匂いフィールドを展開してくれるので、置くだけ芳香剤として重宝した。冷房は無かったがロンドンは涼しく、扇風機があったので特に困らず。  ホテルに荷物を置いて近場の日本料理店(中華エッセンスが入っていて、なぜか焼うどんがオイスターソース味だった。野菜がたっぷり。だしの味がいつもと違って違和感があったが、かけうどんは沁みる味で美味しかった。)で食事を取った後は次の目的地へ。

提灯が逆さま
うどん

地下鉄に乗って、ショッピングモールのバタシーパワーステーションへ来た。ここは火力発電所跡地に最近出来た商業施設である。広々とした空間に店舗が並んでいる。大きなスーパー M&Sがあるので見物がてらにお菓子を購入。清潔感があり売っている商品のセンスも良い店舗だ。そして、M&SでLove your gutなる、チョコレートドリンクとの出会いを果たしパーティ入りすることになる。今後の腸の友となり、旅行の陰の立役者となる。

晴天
大きめの犬

  バタシーパワーステーションの裏庭はちょっとした公園のような趣。広々とした芝生広場と椅子、テニスコートや青空ライブビューイングでウィンブルドン観戦など、市民の憩いの場になっていた。先ほどまでの曇天はどこへやら、雨も上がりとても爽やかな天気。庭に設置された椅子はイギリス国境カラーの乾きやすいメッシュ生地でロンドン向けのものだった。その他に芝生で出来たソファーもあった。パワーステーションでは洒落たアパレルショップや雑貨屋があり、ウィンドウショッピングを楽しんだ。シャンパンを少しづつ楽しめるのが売りのバーがあり、折角なので立ち寄ったがあまりにも高級だったので怖気づき、コーラ(夫)とトニックウォーター(筆者)を注文した。トニックウォーターがとても美味しかった。本屋で数冊購入した後は帰路に。

Battersea Power Station
広々設計
トニックウォーター

帰りがてら衣類量販店のプライマークでスウェットを購入。夕食はホテル近くのCRAYSY SALADAというサラダ店でジャケットポテトという超重量級のポテトを食べ……切れなかったので半分は翌朝の食事に。


Primark
1kgくらいある

DAY4, 7 JUL, Sun.

4日目はアフタヌーンティーと観劇。12時まで時間もあるので、ハリーポッターのダイアゴン横丁の撮影地でもあるレドンホールマーケットへ。日曜日はカフェ以外閉まっているが、アーケードの迫力あるドラゴンやバラ、ウィンドウを眺めるだけでも楽しめた。銀色のドラゴンの真っ赤な眼が印象的。ちょっとハートに見えなくもない。よく見ると個体毎に少しずつレリーフが違っていて面白い。

Leadenhall Market
しっぽりした雰囲気
ほしいね
世界観のつくりこまれた玩具屋さん

アフタヌーンティーはスワンというカフェに。イギリスではあちこちに在る中でもこの店に決めた理由としては、紳士向けのしょっぱめティーセットがあるからだった。下段はサンドイッチ、中段にフィッシュアンドチップス、上段にバジルスコーンと少しの甘味。これはいいぞと決めたものの、肝心要のスコーンはほとんどパンのような食感で残念だった _| ̄|○
昔ロンドンのカナリーワーフらへんのホテルで食べたときには、紅茶もスコーンも爆裂に美味しかったので場所によるのだと思う。テムズ川沿いのここらの雰囲気はとてもよく、横浜のモザイクタイルにどこか似ている。散歩にうってつけのエリアだ。眼前のテムズ川や、遠く見えるタワーブリッジ、それからシェイクスピアの劇場もある。食事の後はミレニアムブリッジを渡ってテムズ川対岸へ。セントポール大聖堂へ向かって歩く眺望はとても良好である。

Afternoon tea at Swan
Tower Bridge
Shakespeare's Globe

Matilda

セントポール大聖堂に着いたあたりから天気が崩れ始めてまた雨に。バスで劇場付近まで向かうが、バス停から歩く間までにもかなり濡れてしまった。劇場の開場まで少し待ち、さらに客席の開場まで少し待つ。パンフレットを購入した後はマチルダのセットに包まれて幸福感にしばし浸る。色とりどりの灯りと文字で構成されたセットはお気に入りの本を見つけたときのような高揚感と物語の世界への没入感のようで素敵だ。折角なのでオペラグラス要らずの良席を取っていた。満席のホールには子ども、大人、おじいちゃんおばあちゃん、たくさんの人が皆楽しそうだ。飲み物どころかアルコールもOKの席はわいわいしていて、この雰囲気も日本とは違うのかと驚いた。(そしてみんな低俗め(キッズ下ネタ)で大笑いしていて、ここの雰囲気も違って面白かった。)

Matilda
Cambridge theatre

マチルダの感想は例によって長くなるけれども、よければ見ていってくださいませ。

ミラクルの冒頭ではちょろちょろと子どもたちが登場。親とのセットでそれぞれの家のカラーが見えるのが面白い。原作では、大抵の家は親バカだと述べているところをこのような演出に出来るのはとんだ天才だと思う。群像の交錯や元気いっぱいの躍動感、気の抜けるがわくわくする音楽を鳴らすバンド、盛り上がるが弾けるようにひとりマチルダが残されて対比が際立つ。かと言ってシリアスになりすぎず、自身の妊娠に気が付かずダンスのセミファイナルで頭がいっぱいの母と熱唱する主治医とのコミカルなやり取りで場があたたまる。初っ端からダンスに歌にギャグに、とエンタメ盛りだくさんで飽きる暇がない。マチルダ一家では父の悪辣っぷりとアホな弟、母になり切れていない母の家族らしからぬ一面。モヤモヤしそうなシーンが来るが、名曲Naughtyとともにマチルダが仕返しをかましてくれるので、いいぞ!もっとやれ!と小気味よく応援に専念できる。
名曲がすぐに過ぎてしまうことを惜しんでいるうちに、等身の大きな先輩小学生がSchool Songという歌で学校の怖さを脅かす歌に映る。この歌もエンタメ度が高く面白い。ABC…Zまでのアルファベットが曲中で散りばめられている。アルファベットブロックを音ハメの要領で気持ちよく見せながら歌い上げる最後には思わず拍手したくなる。前の日本語版を見たときにもう一度見たい!!と強く感じた場面でもある。(日本語版も和訳が素晴らしいのだがスペースが足りないので割愛)

暫くすると担任のハニー先生や宿敵の校長ミス・トレンチブルと主要メンバーが登場していく。ハニー先生のコミカル度は英語版の方がうまくはまっているように感じた。この先生じつはかなり面白い。ミス・トレンチブルは観客人気もピカイチでマチルダと並ぶ拍手が随所で送られていた。私も観客として登場をいつも期待していた。ミストレンチブルは男性の俳優が肉襦袢を付けてモリモリの身体で登場する。恐ろしい様子ばかりだが時折見せる少女性がアンバランスで不気味ながらも、ミニスカ履いてリボン技を披露しながら目をキラキラさせる姿はやっぱり笑えてしまう。
ミス・トレンチブルは体罰ジャンキーであり、舞台でも原作シーンが再現されている。その一つで三つ編み少女の髪をひっつかんでジャイアントスイングばりにぶん回した後、放り投げるが少女は無事に着地する、というシーンがある。日本版では舞台照明をうまく使い演出で見せるのだが、ここロンドンではマチルダ専用劇場だ。吹っ飛ばした少女を追って客席にキャストが降りてきたと思ったら天井から真横に少女が降ってきてさすがに度肝を抜かれた。ここはぜひ現地で見てほしい。
キッズとはとても思えないキレの良さとよく訓練されたダンスは迫力たっぷりで、観終わった後には運動後のような爽快感があった。心を動かして笑って圧倒されて、非常に良い体験が出来た。夫氏はミュージカル初体験(曰く、突然歌いだす意味が分からない)であり、ふたりしてリスニング力も中程度なのだが、それでも両者十分に楽しむことが出来たので是非ともおすすめしたい。ただし、飲酒中の瓶やグラスを平気で床に置いたりしていて、休憩で立ち上がるときに零す、なんてこともよくよくあるので周囲の状況にはよく注意してほしい。それを踏まえても旅行中で一二を争う良質な体験が出来た。
マチルダ終演後に外に出るとロンドン名物(?)の自転車フラミンゴタクシーが大勢出待ちしていた。爆音でマチルダの名曲を流しながら。我々はタクシーに乗らずに真っ直ぐホテルに帰った。夜ご飯は近場の中華料理店でチャーハンをテイクアウト。インディカ米だったが美味しかった。大盛りだったので半分は翌日の朝ごはんに。

DAY5, 8 JUL, Mon.

5日目は海事博物館と百貨店ハロッズへ。
海事博物館はグリニッジ天文台の近くにある。他にも日替わり出店のクリエイターズマーケットもあったが、行き掛けは開店前だったので寄れず仕舞いだった。以前行った海事博物館では、帆船カティサークなどの心躍るグッズが売られていたように思うが、いつの間にか改装されたのかお土産売り場は縮小されていた。残念。展示は船以外にも海洋生物、武器、星空は航空写真とジャンルが幅広かった。展示の仕方が工夫されていたので十分に楽しめた。近場の中高生が見学に来ていたのだが、ビビッドな紫の制服だったのでビックリした。海事博物館を出た後は、バスを乗り継いで百貨店のハロッズへ向かった。途中で国会議事堂として有名なビッグベンも経由。片やロンドンアイ、片やビッグベンとロンドンらしい景色が見られて満足度が高い。

曇り空もまたロンドン

ハロッズ近場までバスで行こうとしたのだが、工事中だったのかバスのルートが途中で変わったので慌てて下車することになった。マップで現在位置を確認していたり、リスニング出来ずとも車内アナウンスが何かを言っているなと気を配っていれば対応できるものの少しヒヤッとした。下車後はしばらく徒歩で歩いた。歩き疲れたがイギリスドラマでよく見る住宅街が見られて面白かった。ところでロンドンバスといえば2階建ての大きな赤いバスが有名だ。市内を走るバスも大半がこれである。一台だけ少し風変わりなバスに出会った。ハリーポッターのナイトバスに出てきそうなロングコートの車掌さんが手すりを軸に身軽に客を呼び込む少しレトロな車内へ。小ぶりな外観だが二階建てのよう。支払いはオイスターカードが使えず、車掌さんの持つ端末でキャッシュかクレカ支払いになる。呼び鈴はボタンではなく、車内前後方向に走る黄色の紐を下方向へ引く形式だ。アナウンスも車掌さんが代わりを務める。

車掌さんがいい味を出している
レトロな車内

歩き疲れたところでハロッズに到着。造りがかなり独特で、ハロッズ公式グッズ、チョコレートホール、デパ地下グルメホールといった具合に天井まで身長の3倍程の高い空間をアーチで区切る構造であった。チョコレートホールをしばし見物。日本でも有名なメーカー以外にも色々あって見物するだけでも面白い。フランスの百貨店では様々なお土産を集めた神ゾーンがあったが、残念ながらイギリスではそのような類は見つけられなかった。ハロッズ公式グッズのお菓子やトートバッグ、紅茶セットを買った。

ハロッズからホテルに戻った後は、夫氏が体調を崩し気味だったので近くのアジア食料品店へ買い出しに。韓国・中国の品々とともによく見るニッポングルメを発見。日清のカップ麺はよく見るヌードルではなくローカライズされた焼きそばだった。物は試しとSukiyakiフレーバーのSobaを買ってみた。その他にお茶パック、豆腐味噌汁のカップスープ、ポカリスエットなどを購入。夜ご飯はステーキパイを食べた。パイ生地の中にほぐしたステーキが入っていて食べ応えたっぷり。パイがサクサクでおいしかった。グリーンピースも好物なので食べられて満足した。マッシュポテトは少し変わった風味がしたので、まずくはないのだがフランスの方が美味しいと感じた。
食べ終えた後はひとり本屋に出掛け、店内を存分に見て回った。大学近くの本屋でありグーグルマップの評価通り歴史やデザインの専門書が豊富だった。買い集めている本は薄い・デザインが好み・面白そうなものなのであまり購入出来なかったが、栞をいくつか購入した。ここまで本屋を回ってきたことで、当たり前かもしれないが歴史書とくにヨーロッパ付近の分類が細かいことを感じた。反対にアジアは一括りで本棚も狭かった。気が済むまで見物した後はホテルに戻って就寝。

Steak pie

イギリス-->フランス

DAY6, 9 JUL, Tue.

フランスに戻る前にポカリスエットを追加購入。その後はセントパンクラス駅へ。駅での自由時間が15分だけだったのでほぼ何も出来なかったが、フォートナムメイソンのショップに行って紅茶、キャンドル、緑茶、チョコレートを購入。ピクニック用の食器運びバスケットの展示を目にして、浪漫全振りだな~とわくわくした。とても良い。素敵な缶を手に入れられたが、紅茶はなく日本茶になってしまった。ロンドンに尾を引かれながらもフランスへ戻る準備を進める。行きと同じく出国と入国手順を経て、ユーロスターのゲート開場を待つ。フランスでは免税店が充実していたが、ロンドンの方は少なかった。カフェ・プレタマンジェとちょっとした土産物屋。残ったポンド札でキーホルダーを買おうと思ったがキャッシュNGのだったので仕方なくカードで購入。小さなロンドンバスは車輪が動かせられてなかなか良い品だった。帰りは読書をしながら過ごした。行きに羨ましく思っていたので、食堂車へ向かいコーヒーを購入。パンとコーヒーをつまんで2時間ほど(時差の影響で時刻的には+1時間)経てばまたパリ北駅へ。tチケットを使い切ったのでICカードタイプのNavigoを購入したところ、パリオリンピック仕様だったのでラッキー。

さよならセントパンクラス駅


ロンドン土産の一部(+ハロッズトートバッグと本)

 パリ北駅からはバスでホテルへ。駅前ロータリーは暫く待っていてもバスが来なかったため別路線へ。バス内では行き程の治安の悪さは感じないものの、乗客と運転手が小競り合いをしたり、街中はクラクションがひっきりなしに鳴っていたりと落ち着かない雰囲気だ。真っ直ぐホテルに戻り、後はのんびりと過ごした。

-->次回、フランスから日本帰国まで。


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