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チェンソーマン第二部 前回(2023/10/18)の感想 その2 ユウコが契約していたのは火の悪魔?タイトルの「焚火」は伏線だった?

偽チェンソーマンは誰なのか

ユウコを殺した偽チェンソーマンは誰なのか。火の悪魔がまだ力を完全に発現しきれていなかったはずだが、壁に映った影からすると頭のチェンソーは本家と同じくらい長い。腕からもチェンソーの跡から血が出ていた。

ユウコが殺されたのは、教会の礼拝の日にカナダと中国で信者35万人が火の悪魔と契約した前回よりだいぶ前の話なので、まだ火の悪魔との契約者の力が強力になっていない、つまり変身が中途半端で契約者はチェンソーマンから程遠い形状になっていた時期。火の悪魔との契約者が増えれば、火の悪魔の力が増すからだ。ユウコが生きていた時期、契約者がまだ少なかったのでユウコはチェンソーマンの形をしていなかったのだろう。

ユウコを殺したのは火の悪魔本体?

それにもかかわらず、ユウコを殺したのは、チェンソーマンのほぼ完全体(頭のチェンソーが特に長い)になっていた。これは、火の悪魔本体だからかと最初思った。火の悪魔本体であれば、契約者の数に関わらず、マックスで能力を使えそうだから。マキマのように火の悪魔がチェンソーマンを崇拝していれば、チェンソーマンになることが可能だったのかもしれない。

ただ、闇と対置されることから火も根源的恐怖の名を持つ悪魔かもしれない。そうなると、彼らは地獄で一度も死んだことがない悪魔。なのでチェンソーマンに食べられて消されるのを良しとしないはず。だとしたら火の悪魔は力を発動してもチェンソーマンにはならない。火の悪魔がチェンソーマンを善とは考えていないからだ。そう考えると、ユウコを殺した偽チェンソーマンは火の悪魔ではないのかもしれない。

ユウコが殺した隣人を燃やしていた話のタイトルは「焚火」

ユウコが契約していたのは火の悪魔だと思われる伏線がある。それが第106 話の「焚火」というタイトル。ユウコがアサに正義の悪魔 (実際には火の悪魔)と契約したことを打ち明け、明日はアサをいじめた奴を殺すと宣言したあとにユウコが自宅の裏庭かどこかで、殺した隣人を燃やしているシーン。この第106 話でユウコは高校で悪魔化した。

あと、このシーン、ユウコの隣人の死体が燃えてる絵がどこかファイアパンチ感が漂っている。ちなみにこのシーンの前の話のタイトルは「灼熱」だ。この話の内容は、アサと並んで日光浴をしながらユウコが正義の悪魔と契約したことをアサに告白するところ。ユウコが契約したのが正義の悪魔ではタイトルと内容が噛み合わない。この辺りからもユウコが契約したのは火の悪魔だろう。

ヴェーダ宗教の火炎崇拝の源流は「火葬」

前回の感想の 1つ目の記事で、火炎崇拝が、火の悪魔の自分が信じる善が力になる (チェンソーマン信者の場合、チェンソーマンになれる力)能力の元ネタになっているのではないかということを書いた。

火炎崇拝は世界の様々な宗教で行われている。その一つに、アーリア人のヴェーダ宗教のものがある。これは、ヒンドゥー教の火葬に源流があるらしい (Wikipedia "火炎崇拝" の項より)ユウコが隣人を火葬していたことからも、何かしら火炎崇拝と火の悪魔は関連付けされているかもしれない。


ヴェーダ宗教の火神アグニ

そのヴェーダ宗教の火神の名前がアグニ。ファイアパンチの主人公と同名だ。そうなると、火の悪魔の正体は亜国 (アコク→アグニ)セイギなのでは、と考えてしまう。正義の悪魔のセイギでもあるし。

火神アグニが人間と神々を仲介し、火により人間の供物と祈りが天上にもたらされると考えられた。(Wikipedia "火炎崇拝" の項より)

飢餓は根源的恐怖の名を持つ悪魔を使って死の悪魔に生贄を捧げようとしている?

火神アグニが人間から供え物を天上の神々にもたらすということは、天上 (落下の悪魔編で空に空いたドアの上の地獄)にいる死の悪魔に対して、火の悪魔が何かしら"供え物 " 的なものをもたらすのか?生贄のような。落下の悪魔も、地上から地獄に人肉料理を振る舞っていた。火の悪魔も、根源的恐怖の名を持つ悪魔っぽいし、地獄にいる、死の悪魔のようにトップに君臨する何者か (それが「恐怖の大王」?)に"供え物" 的な何かを与える使命があるのか?

それは飢餓の言っていた中華料理やピザ?そうだったら面白すぎるが。ただ中華料理もピザも、火力が強いイメージはある。シェフが調理中に中華鍋で火が燃えるイメージはあるし、ビザ窯も高温のイメージ。ちなみに油に引火する温度は300度くらい、ピザ窯は400〜500度あるらしい。

飢餓は落下の悪魔や火の悪魔を駒にしている。彼ら根源的恐怖の名を持つ悪魔の力で、中華料理やピザではなかったとしても生贄的な何かを地獄にデリバリーして死の悪魔を復活させたいんだろうか。そもそもキガは本当に死の悪魔を殺すつもりなんだろうか。キガは死の悪魔を降臨させようとしているが、殺す以外に目的があるのかもしれない。死の悪魔を殺したいならわざわざ降臨させなくても地獄にいさせればいい。

吉田ヒロフミは死の悪魔ではなさそう?

ナユタによると死の悪魔はお姉ちゃんらしいので、人型の悪魔であれば死の悪魔は女性だということになる。長らく噂されていた吉田ヒロフミ=死の悪魔説はここで否定されるのかもしれない。

死の悪魔が人型ではないか、吉田ヒロフミがファイアパンチのトガタのように性同一性障害でもない限り、吉田は死の悪魔ではないのだろう。

個人的には死の悪魔は人型の悪魔より、もっと見た目が悪魔悪魔していてほしい。マキマ・ナユタ、ヨル、キガの美人三姉妹の長女として美人の人型悪魔ではなく。ヨハネの黙示録で四騎士のうち死だけが人間ではなく骸骨として描かれているし。死の悪魔は人型で四姉妹って感じになるのか、物凄い悪魔なのか。恐怖の大王=死の悪魔ってことなら、死だけ別格な気もする。さらに言えば、ナユタが「最も恐れられる名を持つ悪魔」と言っていることから、死の悪魔は根源的恐怖の名を持つ悪魔より格上な気もするし、四騎士より格上そうな闇や落下といった根源悪魔 (キガは駒にしているけど。また、火の悪魔は姿がわからない。根源かさえ分からない)でさえ人型ではないので、死の悪魔は人型ではない可能性もありそう。

その他どうでもいいこと

火の悪魔の犠牲者のTシャツのプリント

火の悪魔の力が一般人に影響した結果、街の至る所で人の頭からチェンソーが出てくるシーンで、最初の一人目の次のコマ。おそらく前のコマとおなじ人が着ているTシャツに筆記体で「Gleath」と書いてある。Googleで検索すると、スコットランド ゲール語で「嬉しい」という意味。チェンソーマンファンだからチェンソーマンになれて嬉しいってことだろうか…ヤバすぎる。

ユウコの名前と火、そしてアサの水族館

あと、実は火の悪魔と契約していたと思われるユウコが隣人を殺して燃やした、"焚火 " っていう話タイトルから火の悪魔に伏線が繋がってる。そしてこの火ってのと、前々回バルエムが待っていた夕陽 (= 太陽の火)は類比されているような気がする。だからユウコは漢字で書くと夕子なのかもしれない。ユウコのユウは、夕陽の夕。ユウコがアサと日光浴してたときも夕陽が印象的なシーンだった。

というかこれまでの2部の構想は、この火の悪魔に向けての長い伏線が多かったような気がする。ファイアパンチ・アグニ →アグニは火炎崇拝の火神→火の悪魔→火と類比して夕陽のイメージからユウコ=夕子 (主人公の友人)→主人公の名前は、ユウコの夕陽のイメージに対して朝陽のイメージから三鷹アサのアサ=朝→戦争の悪魔はヨル=夜 という名前の伏線。前回の話が公開されるまでは、2ちゃんとかではユウコって誰だっけ、委員長と同一視してたわ、そんな奴いたなあって感じだったけど、まさかの火の悪魔に帰着していたという。火の悪魔とチェンソーマン信者を契約させたバルエムが火炎放射の悪魔だったのも、もしかしたら1部から、前回の火の悪魔に向けての壮大な伏線だったのかもしれない。

これは流石にこじつけかも知れないが、アサとデンジがデートした水族館は、火に対比させた水族館だったりして。水だから。魚が嫌いなのにアサがユウコと放課後デビルハンターの時にたい焼き食べてたのも、そして、つめた~いたい焼き (第101話 放課後デビルハンターの章の絵に描かれている)だったのも、ユウコの火のイメージと対比させた水の冷たいイメージだったのかも。

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