車中心の地方都市について思うこと-アクセス面-

こんにちは、TaKaです。

先日投稿した「車中心の地方都市について思うこと」を交通面から私見を述べます。

私は、大学院まで土木主に公共交通によるまちづくりを研究しておりました。

その中で、交通機関のコスト構造に関する研究を行っておりましたが、そこで得た知見から、私が研究対象としたバスでは人件費が運行経費のうち、一番大きなコスト変動要因であることが分かりました。これは、参考文献でも指摘されたことでした。この人件費は、利用者のために路線網の密度を濃くしてかつ運行頻度を高めることでより多くの人件費がかかります。現在は自動運転バスの試験運行が各所で行われていますが、障害物の画像検知や法的責任の有無など多くのハードルがあります。また、これは私個人の妄想ですが、人手不足解消の手段として自動化を行うのは、短期的には経営の持続可能性を高める可能性があります。また、コロナ禍など予測不可能な社会情勢において、コストカットによって経営を続けるために耐える手段として有用でしょう。しかし、それが恒常化すると、多くの人がその職に就けない可能性があり、懸念しております(私が早く病気を治して就職しろよと言われたら何も言えませんが)。これに関しては、社会構造の変化によって新たな職業が作られるという意見を拝見したことがあり、それもそうかと思う点があります。なので、ここでは、あくまで妄想に留めておきます。

また、少子高齢化の観点から、直近の課題としては利用が多く見込まれる高齢者のために公共交通が必要とされますが、今後は、ニュータウンや郊外住宅地に住まわれている方々へもバス路線を広げる必要があります。これを私企業で行うとなると人手だけでなくコストを賄うために運賃を上げる必要があります。

コスト増の一番大きな要因となる人件費を削減する策の一つとしてバスの大型化(車体をつなげた連節バスなど)によって輸送量あたりの人件費を下げることがあります。これは、ある程度の規模の都市ではラッシュ時には有用でしょう。しかし、大型化によって需要変動に応じたコスト的に効率的な運用ができないこと、高価な大型車両の減価償却費用の負担、車両重量の増加による道路への負荷増大(日本の舗装設計基準ではアメリカの試験結果に倣っているが、大型な車両の通行を想定したアメリカよりも小さい重量を想定している。)などが見込まれます。そういった面から、住む場所と活動する場所の距離を縮めなければいけない場面も遠くない未来に現れるでしょう。

次に、病気で医者から車利用を禁止されている私自身からすると、やはり車利用に特化した都市機能の立地はあまりやって欲しくないです。

理想を言うならば、単なる土地確保の面から郊外を選ぶのではなく車も公共交通も同じコスト負担(運賃が高くて本数が少ないと公平性に問題がある)でアクセスしやすい場所に再構築することを願いたいです。

以上、さらっとですが、一旦は、車中心の地方都市について現時点で思うことを述べさせていただきます。


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