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○○を読む自分に酔っている

「○○が好きなのではなく、○○を読んでる自分が好きなだけ」

揶揄する意味合いでよく言われることだが、私は悪いことではないと思っている。かつては私もちょっと冷笑していたこともあったけれど。いやむしろ、私もそちら側で、引目を感じていたのかも。

でも大学院で研究者の近くに身を置くなかで「そんな態度でいたら滅びるな」と思った。

そうしてしばらく時間が経った。

やがて、考え方が変容した。
「○○を読むくらいで自分が好きになれるならいいではないか」

挫けそうになる罠が張り巡らせられている現代社会、自分が好きになれるツールはおおいに使って、むしろ大事にした方がいい。
創る人になろうと決めたときに強くそう思った。ストレートに作品が好きだと言ってくれるのもすごく嬉しいに違いないけど、私の作品によって自分が好きになるならもっと嬉しいのかも。もちろんいまは想像でしかないけど。

・コレを読んでいる自分すごい
・こんな奴でも生きられるなら自分は大丈夫だな
・3日で読み切れた!

なんでもいい。
私が愛されるより自分を愛してほしい。

ちなみに私が酔っているのはなんといってもプルーストの『失われた時を求めて』だ。どうだ?強いだろう!

2024.6.27

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