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ミシン購入から1ヶ月半

 小学生、中学生、家庭科は‪✕‬か1、テストのエプロン作りはガムテープと両面テープを駆使して見た目だけはエプロンに。一応装着も出来たよ。でももちろん0点だった。

 図工や美術だけは何一つ勉強や練習をしなくともいつも成績が良かったので、先生に「何で!?」と言われたこともあったけれど、むしろお裁縫やミシンは「丁寧さ」や「根気」や「技術」が必要な、私の性質と照らし合わせてみれば、とてつもなく縁遠い教科だったのではなかろうか。

 と、今ならわかるのだが、当時は自分でも「何で!?」だったのだ。
 何となく勘で出来て当たり前!みたいなイメージを思い描いていたのは、やはり図工や美術が難なく得意であった為かと思われる。
 何でも出来たのだ、図工と美術は。

 「写生大会です。花壇のお花を水彩絵の具で描きましょう」「版画です。板に彫刻刀で、出来上がりをイメージして好きな生き物を彫りましょう」「季節の絵葉書をやります。花弁を集めてしぼり、自由に葉書に着色しましょう」「折り紙や毛糸、トイレットペーパーの芯を使って箱の中に物語りを作ってみましょう」あと何があったかな。自画像だとか、誰かとペアになって横顔を描き合うとか、なんか絵の具でマーブルな模様を紙を動かして作るとか、そう言えば紙粘土で車やお城や鳩も作った。
 何だか良くわからないが、図工と美術では、全てとてつもなく褒められた。
 それしか褒めるところがなかったのも、多分事実だとは思うが。
 まさに、神童育てばただの人、の良い例だな、くらいには沢山の賞を頂き、色々な方に褒めて頂けたのだ。

 なんとなく、雰囲気が似ているではないか。
 お裁縫やミシンも「作る」ものだし。
 だからだろうか、出来るに違いないと思い込んでいたのだ。
 しかし、私はあっさり白旗をあげた。
 ミシンの上糸の通す手順すら、何度やっても覚えることが出来なかったし、下糸なんか未知の領域過ぎて見たくもない!ってな状態に陥り、隣の席の女の子に給食のデザートをチラつかせ、こっそり全てセットしてもらった6年間。
 その集大成が、ガムテープと両面テープのエプロンだった。

 そもそも、布を真っ直ぐに切ることさえ私にはひどく難しく、同じ大きさ、形の裏地を用意するなど不可能でしかない。
 多分、脳が向いてないのだと思う。
 可愛い布やレースやリボンは大好きだし、お洋服もポーチもサコッシュも自分の思い描いたものが形になったら、何て素敵なんだろう、と夢見ていた時期もある。

 だけど、出来ない。
 私には出来ない。
 だから、失敗するから、わかってるから、やらない。
 努力しない。無駄だから。きっと何にもならないだろうから、はじめから頑張らない。

 …そうだったのだろう、今までずっと。
 だけどそんなのは、私は嫌だと思ってた。
 どうせやっても出来ない。だから努力しない。だって時間がかかるでしょ。ミシンだって安くないし。じゃねえ!!生きてるうちしか出来ないんだからやろう!!

 と、何故かある日唐突にハッとして、通販でミシンを購入していた。
 そんなわけで、絶望的にお裁縫やミシンが苦手だったのに、何故か衝動的にミシン購入ぶちかましてしまった私が、適正0、マイナスレベル初心者!のタスキをひっさげて、お裁縫やミシンをやりはじめて1ヶ月半経ったのです。

 ファスナーポーチを練習材料に選んだところ、部屋がファスナーポーチで埋め尽くされて行く日々。
 さて、何か良い案はないだろうか。
 などと、思いつつ、はじめはフリマアプリに出品してみようと考えた。
 しかし、私が作るファスナーポーチがあまり使い勝手が良いようには思えず、万人受けはしないな、とすぐさま却下。

 だからと言って、レベル-50みたいな呪いのアクセサリでも装備してんの?みたいな私の作ったものが、果たして「商品」と呼べるような品物になっているのだろうか?

 大丈夫か?無理くないか?ここに出品していいのか?ヤバくないか?…と、自問自答を繰り返しています。
 はい。
 今もだよ。
 頑張って作ってはいる。
 が、ハンドメイドの「手作りだもんね☆」で許されるラインがどの辺りなのか判断がつかない。
 …個人差なんですかね?
 

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