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詰まりが取れるってこう言う事

ひろしという名の会社員は、毎日同じような日常にうんざりしていました。彼の仕事はつまらなく、上司からは叱責を受け、同僚たちからは冷たい視線を浴びせられるばかりです。後輩たちからは軽蔑され、彼の存在は何の価値も持っていないと感じられました。


ある日、ひろしは自分の人生について深く考えるようになりました。このままではいけないと思いつつも、何をすれば良いのか分かりませんでした。彼は部屋に帰り、窓の外を眺めながら心の中でため息をつきました。


「ねぇ、君。このままじゃつまらないと思ってるんだろう?」

ひろしは驚いて振り返ると、部屋の中に声が響きました。そこには不思議な風貌をした人物が立っていました。


「ぼくはアキラ。君の人生を変える方法を教えにきた?」


ひろしは戸惑いながらアキラの言葉を聞く。


「君が求めているのは、楽しさだろう?自分に自信を持ち、幸せに生きることができれば、人生はもっと輝くはずさ。」


ひろしは心の中で少し希望の光が灯ったような気がしました。


「さぁ、君の人生を変えるための扉がある。僕と契約して開けてよ。」


アキラが指さす扉は、謎めいた光に包まれていました。ひろしは迷いながらも、契約して扉に手を掛ける、、、ギシリという音が鳴り響き、ひろしは眩しい光の中へと入っていきます。そして、辺りが見えるようになると、彼は自分の会社にいることに気付き驚き、理解するのに時間がかかり、尚且つ同僚たちの顔が、まるでひろし自身の顔のように見えたのです。彼の心はざわつき、混乱しました。


「おはよう、、、どうした?驚いた顔して、、、」


同僚たちが挨拶してくれましたが、その声には自分の声が重なるように聞こえました。ひろしは頭がこんがらがってしまいましたが、その状況がどういうことなのか理解するためにアキラを探しました。

しかし、アキラの姿はどこにもありませんでした。彼は自分がどこにいるのか、何が起こっているのかを理解することができませんでした。

ひろしは何日も過ごしましたが、状況は変わりませんでした。彼は自分の中に他の人々の感情が入り込むような感覚を抱えていました。他人の心情が自分に反映され、自分の心も他人に影響を与えるのです。

だんだんとひろしは、この奇妙な世界に慣れていきました。自分と他人の境界が曖昧になり、互いの思いを理解することができるようになったのです。

ある夜、ひろしは再び部屋に戻るとアキラが現れました。彼はひろしの驚きを楽しそうに見つめながら言いました。

「君はもうこの世界に慣れたようだね。自分と他人が入れ替わることで、互いの思いを理解することができるんだ。」


ひろしはアキラに対して自分の疑問をぶつけました。


「元の世界には戻れないのか?」


アキラは微笑んで答えました。


「この世界こそが本当の『あなたの世界』なんだよ。元々、君の心の中にあるんだ。だから、もとの世界に戻る必要はないんだよ。」

ひろしは不思議ながらも、自分自身がこの世界に属していることを受け入れる決断をしました。

それからというもの、ひろしは自分自身を受け入れ、他人を理解しようとする努力をしました。彼は自分自身を好きになることで、他人を好きになることができるようになったのです。

ひろしの人生は一変しました。彼は自分自身と向き合い、他人との関係を築くことができるようになりました。この新しい世界で、ひろしは本当の幸せを見つけることができたのです。


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