ニーベ

小規模自治体の自治体内弁護士

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小規模自治体の自治体内弁護士

最近の記事

自治体内弁護士の展望

このノートでは、自治体法務の特色から自治体内弁護士の展望という大上段なテーマについて考えていきたいと思います。 特色―法務機能が分権的であること自治体は各部署が法律を扱います。ここは企業とは全く異なると思います。 企業であれば、契約のことも業法のことも法務部に集約されます。そのため、法務機能がひとつの部署によって統括されています。 これに対して、自治体は、固定資産税や住民税のことは税務を扱う部署がすべて担当しています。担当部署が「法務部」に相談してアドバイスをうけて判断して

    • 保守点検契約―随意契約とできるか

      第1 ケース職員「図書館のエレベーターの保守点検契約をしたいので、内容を見てもらってもいいでしょうか。」 内部弁護士「わかりました。ちなみに、契約内容の話ではないのですが、今の業者はどうやって選定したのですか。」 職員「入札でエレベーターの設置工事業者を選定しました。その工事業者と保守点検契約を締結しています。」 内部弁護士「契約期間はどうなっていますか。」 職員「令和4年4月1日から令和5年3月31日までとなっています。」 市では、庁舎内や体育施設等のエレベーターや空調機

      • 公的機関からの照会―プライバシー侵害にならないか

        第1 ケース窓口担当職員「さきほど、こういう書面が届きました。ある住民の住所や勤務先を教えて欲しいという照会だったのですが、どう対応すればいいでしょうか。」 内部弁護士「その書面を見せてもらってもいいでしょうか。その書面の性質によっては回答できます。というのも、住民の住所や勤務先は個人情報にあたるので、個人情報保護条例等によって目的外利用の禁止や外部提供が原則として禁止されています。ただし、「法令等に定めがあるとき」といった例外規定にあたる場合には、照会に回答することができる

        • 自治体内弁護士のススメ

          第1 きっかけ及びこのノートの趣旨このノートでは、地方自治体にて任期付公務員(弁護士)―自治体内弁護士の経験談を記載していきます。 このノートをはじめたきっかけとしては、 ・自分の備忘録・検討メモを残す、棚卸すること ・自治体内弁護士の職務の紹介し、任用を促進すること にあります。 方針としては、よくある相談事例を抽出し、裁判例や相談対応例を紹介していきたいと考えています。 第2 主な職務内容自治体内弁護士は、おそらくもう10年ほど前からはじまったものかと思いますが、自治体

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