詩 心の中の旅人
瓦礫の下にある物を
気にせずにいられた人生
画面の向こう側の叫びすら聞き流した
過去や未来に取り囲まれて
自分の事だけを優雅に考えていた
劣等感と言い訳が脳裏を支配して
怒りを踏み台にして生きた
今ここにある痛みと苦しみに
素通りする街で
助けての言葉を噛み殺して
誰かが叫びを踏みにじった
心の奥に築いたバリケードの隙間に
侵入した風に優しさを感じて
明日になれば憎しみに心を
支配されてさまうから
本当に苦しみしかない場所では
掛ける言葉は何も無い
声も干からびた胸の隙間に
痩せこけた希望を抱きしめて
束の間の安らぎが
あなたの頬に
あたるように
影の中へ
微かな祈りを託して
手を繋いだ
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