「法人がお金を預かる意味」~vol.1 連続勉強会のはじまり
皆さん、こんにちは。東京都育成会権利擁護支援センターです。だいぶ涼しくなってきました。貴重な秋、大切にしたいですね🍂
さて、前回はくらしにつながる「お金」(以下、リンク)について考えました。
今回は、その「お金の支援」や施設・事業所等での「預かり」について、これまでセンターで取り組んできたことを少しずつ報告し、皆さんと考える機会にしたいと思います。
じぶんとおかね~その管理
これまで、知的障害がある人のお金の管理は「家族」が担ってきたのではないでしょうか。家族の支援の中で、生活されている方が今もいらっしゃいますが、
本人が実際にお金を扱うようになるのは、どんな時からなのでしょうか。
本人が収入を得るようになった時、本人が家族とは別に暮らすようになった時など。
それまでは、「お小遣い」という名目でお金を使用することはあっても、本人が「自分のお金を管理する」というところまでは至っていなかった、という方も多いと思います。
本人がお金を使って喜びを感じた時、本人の暮らしの場が家族から離れた時、少しずつ本人がお金とともに自分の暮らしを作るようになり、そこに様々な課題が生まれてくるのかもしれません。もちろん、本人の暮らしや世界が広がっていく、といった良い発見も同じくらいあるのですが😊✨
連続勉強会のはじまり
私たちの法人では、入所施設をはじめ、グループホーム、通勤寮など、宿泊系の事業所を運営しています。それぞれの暮らしの中で「お金」は切っても切り離せないものです。
知的障害がある人の暮らしを支える時に、本人が生活をしている施設やグループホームなどで「金銭の預かり」をすることは、課題はあるものの、多くの施設や事業所で対応しているのではないでしょうか。
東京都育成会権利擁護支援センターでは、この「金銭の預かり」について、現状行われている預かりが本人にとって本当に有益な状態になっているのか、また支援体制はどのようになっているのか整理をし、本人が本人らしく暮らしていくための「金銭の預かり」、「金銭の支援」とは何かを検討するために、連続勉強会を実施しました。
連続勉強会で話し合われたこと
この連続勉強会は、東京都育成会権利擁護支援センター運営委員、専門委員、事務局職員、また支援の現場から、東京都手をつなぐ育成会の宿泊系事業所(入所施設、通勤寮、グループホーム)の職員が参加し、以下の内容で行われました。
本当は預かりたくない?~現場の声
施設やグループホームが、ずっと預かってきたというこれまでの歴史、預かる利便性もある中で、支援者からは「本来は金銭を預かりたくない」という消極的な声が多く聞かれました。そこには、他人のお金を預かっている事実そのものが「不正を疑われる」という緊張感を日常的に支援者自身が感じている、という現状がありました。
そのような現状を背景に、支援者の立場として「(本人の金銭管理に)間違いがあったらいけない」、「(本人の)大事なお金を減らしてはいけない」などの思いから、預り金を保全することを優先し、支援者が考える「本人の金銭の使い方」が強調され、「本人がお金について考える」機会が狭くなっていること、「お金は支援者からもらうもの」という感覚を本人が持つようになっているのではないか、ということが勉強会でのやりとりの中でわかってきました。
では、「法人が金銭を預かる意味」とは・・・。
次回、vol.2として、「法人が金銭を預かる課題」から整理した「法人が金銭を預かる意味」について、本人が自分のお金とともに、本人らしく暮らしていくために、私たち支援者は何を大事にすればいいのか、という視点でお届けしたいと思います📝
🤷♀️今月のへぇ・へぇ・ほぅ🤷♂️
〇「令和3年度都内における障害者虐待の状況」公表 (東京都福祉局ホームページ)
〇東京都育成会権利擁護支援センター 権利擁護・虐待防止研修 実施
(世田谷区立砧工房、砧工房分場・キタミクリーンファーム職員向け研修)
先日、法人内の事業所で研修会を行いました。「権利とは、権利擁護とは何か」を意識し、実際に起こり得る事例を基にグループワークを行いました。多くの時間を割いて日々の支援を振り返ることが難しい支援の現場ですが、一人ひとりの「気づき」をそれぞれが尊重し、意見交換することが出来ました。
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