「法人がお金を預かる意味」~vol.4支援規程の策定
皆さん、こんにちは。東京都育成会権利擁護支援センターです。
また今回もお金の話・・・?!と思われる方がいるかもしれません💦
が、お時間があるときに気軽に読んでくださいね📒
前回までの振り返り
さて、この「法人がお金を預かる意味」シリーズもあと数回になると思います😊すべてをお伝えしきれてはいないのですが、
これまでの積み重ねが、法人内の支援として実践に結び付く日が間近になっています!
前回の投稿では、支援現場での展開に向けて、預り金等支援の目的や概念を浸透させるために、法人内で連絡会議を重ねてきたことをお伝えしました。
▶前回(vol.3)の記事はコチラ
とにかく「やってみよう!」をカタチに
道しるべとなる「預り金等支援規程」
法人内の連絡会議で預り金等支援の概念(考え方)を共有し、次に必要になったことは、その考え方や支援に伴う必要な手続き(主に書式の整理)を支援現場に届けていくことでした。
各事業所や施設では、既に本人のお金を預かっているという実態があり、その実態に合わせた「管理規程」が存在します。
しかし、この管理規程は、事業所ごとにバラバラでした。
(*この管理規程についても、今後は事業種ごとで統一された規程が定められる予定です。)
この「管理規程」は、預かりを行っている施設・事業所であれば、存在するのではないでしょうか。
しかし、「預り金等支援」で最も重要となったのは、概念(考え方)や目的を盛り込んだ「支援規程」を策定し、この「支援規程」を法人統一の基礎として、支援現場で共通にすることです。
もちろん、適切な管理のもと、支援を展開していくわけですから、管理規程の整理も必要だったので、ここには多くの時間を割くことになりました。
また、同時進行で法人内の連絡会議に参加している施設・事業所(入所施設、通勤寮、グループホーム)では、対象となる方を数名選定し、実際に書式等を使用して、支援のシミュレーション(「とにかくやってみよう!」)を行っていきました。
シミュレーションから見えてきたこと
いざ、実際に始めてみると、現場の職員からはこんな声が出てきました。
そして、本人からはこんな声が・・・
突然のシミュレーションに本人を含めて支援現場を戸惑わせてしまったかもしれませんが、現場が見えてくることで、多くの発見がありました。生の声は非常に大事で、実に「面白いな」と思いました。少しずつドアが開く感覚がしたのです✨
預り金等支援を実施していくにあたり、支援規程とともに規程に合わせた各種書式の提案もしていきました。(やはり、負担感はありますね)
法人職員の預り金支援に対する意識はとても高く、継続して本人を見ているという強みがあったので、書式を作成するために必要な本人の情報は既に支援現場に多く存在していると実感しました。
ただ、この書式を埋めていくことで、支援者が「本人の暮らしを理解している」と安心してしまうことは避けたいと思いました。
この預り金等支援で大切にしたいことは、何だったのか。
それは、決まった書式に本人の状態像を書いて埋めていくことではなく、預り金等支援を通して、「本人の暮らしを見つめること」です。
今だけではない、本人の暮らしのその先を「本人と」考えていくこと。
ここに意識を向けるためには、どうすればいいか。
チームであることの意味
支援現場では、個別支援計画の作成や家族との連絡などは担当制をとっているところが多いと思いますが、日々の支援はチームで行っています。
たくさんの職員が本人に関わり、本人と職員それぞれが暮らしを見つめる材料を積み重ねてきている。
しかし、特に本人のお金に関することに着目した時、それが本人にも職員にも目に見える形にはなっていなかったように思います。
これは、本人の「一週間に8,000円もらっている理由は、自分にもわかりません」という声からも課題があることがわかります。
書式で整理をするのは、この支援の根拠を見える化する必要があったからです。
そして、なにより大切なのは、それぞれの職員が積み重ねてきている本人との日々のやりとりを、支援現場で職員同士がともに共有していくこと。
ここにチームで支援をしていることの意味、
そして、この預り金等支援が成立する根拠があるのだと思います❗
おわりに・・・🏃🏃
支援規程の策定までの道のりについて、お伝えしました。
歩みのペースは人それぞれ。
本人が自分の思いを表現する時、少し時間が必要な時があります。
「こんな風にしていきたい」「まずはやってみて確かめたい。」
私たちのこの預り金等支援も紆余曲折を経て、今に至ります。
支援の道しるべとなる支援規程を策定し、支援の軸は共通になってきています。
ここからは、形式やカタチにとらわれることなく、
支援現場の幅広い発想で、展開してほしいと願っています🤝
さて、次回はチームでの支援を支援現場でどのように組織化していくのか🤼次回、シミュレーションでの実際のエピソードも含めてお伝えしたいと思います😊
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