見出し画像

マインドコントロール

ある日、2人で人気のパスタ屋さんに行った。
食事が来て食べ始めた時、急に食器の上に、スプーンとフォークを激しく置いた。
すごい音がして、びっくりした。みんなも振り返った。

大吾は、「その態度なんや」と言った。
おそらく、話に夢中になって、「いただきます」と言わなかったことに腹を立てたらしい。「男が全部奢ると思うなよ」と言ったので、「ごめんなさい」と誤った。当然といえば当然だけど、周りの人に注目されて怒られて泣きそうだった。

それから、沈黙が続き、そのまま家に戻った。その後にすぐ徹マンに行ってしまった。

そこで、モラハラ男の片鱗に気づいていれば良かったのに、「明日になったら忘れるか」と思ってしまった。楽感的な性格が後々に、自分を苦しめることになった。

案の定次の日何事もなかった様に過ごした。

大きくキレることはなかったが、生活の中での指摘は、ちょこちょこしてきた。
洗濯、掃除の仕方が悪い、家事位はやってなどなど。それは、家賃、光熱費を入れないから仕方ないかと思い自分なりに注意されない様努力してやった。

同棲生活1ヶ月位の時、同じ苗字の男友達から連絡があった。同期の子がらみの話を聞いて欲しかったみたいなので聞いていたら、いきなりキレ出した。
椅子を蹴って大きな声で怒鳴り散らした。

えっ、怖いと思ったので、電話を切りひたすら誤り続けた。

ひとしきり怒鳴り散らかした後は、無言でパソコンに向かっていた。
私も、静かに自分の部屋に行った。男の人に怒鳴られたことなどなかったので怖かった。
でも、男がらみだしヤキモチかな、好かれてるってことかなと、その時は思ってしまった。

寝る時のベッドは一緒だったので、気まずいながらも、一緒に寝た。

今思うと、少しずつ少しずつ、自分の支配下に私をコントロールしていたのだと思う。
恋は盲目というけれど、すごく恋してるわけでもなく、燃え上がる様な恋愛でもなかったけれど、私は、大吾に支配されていった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?