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フランス人一家

大吾のおばさんは、フランス人と国際結婚して一人娘を産みフランスで暮らしている。旦那さんがパイロットをしていて無料で日本に来れるという事もあり、度々長期休みを取って日本にきていた。その時に従兄弟同士集まっていたらしい。

大人になってからは、中々時間が合わず、疎遠になっていたが、お互い子供も出来た事もあり、久しぶりに田舎まで会いに行っていた。丁度私が仕事だったので、大吾と子供3人とで親戚の家に行って、数年ぶりの対面を果たし、子供同士も、言葉が通じないながらも、コミュニケーションをとって楽しく過ごしたらしい。

その一年後、今度はフランス人従兄弟一家が、うちに泊まりにきたいと連絡をしてきた。
従兄弟は、日本語が少し話せるけれど、旦那さんは黒人のフランス人で全く日本語が話せない。子供達ももちろん話せない。

不安はあったが、子供達が来て欲しいと言ったのもあって、受け入れることにした。
マンションにはゲストルームがあったため、そこに宿泊をしてもらうことにした。

おばさんからは、従兄弟一家は、お金は一銭も出さないし、とにかくわがままと聞いていた。外食ばかりだとお金もかかるので、食材も買い込み受け入れ準備をした。宿泊に関してもざっくりしていて4.5日位と聞いていた。

私は会うのが初めてだったので、挨拶をして、マンション内の案内や、近くのコンビニや、公園の場所を教えてたり、それが終わると3食の準備をして、お風呂の準備等、思った以上にお客様のフランス人一家のお世話をあたふたしながら行った。

翌日は、従兄弟がゆっくりしたいと言いだしたので、従兄弟の子供2人と、次男を連れて水族館に行った。その間に休息をとってもらうために、全く話せない子供を連れて出掛けるのは、不安があったが、話せなくてもなんとなく、次男と打ち解けて仲良くしていたので良かった。

食事面で、好き嫌いがあって困ったものの、水族館は楽しんでくれてホッとして帰ったのも束の間、また食事の準備をする。上げ膳据え膳も板についている。
だんだんイライラしてきて、大吾にいつまで滞在するのか聞いてもらうことにした。

後、4.5日いると言われ、仕事もあるし、次の日は大吾に面倒を任せた。大吾も一日過ごして、あまりのわがままさに、嫌気がさしていた。
これで後3泊もされるのは、お金も時間も勿体無いということになって、大吾から仕事があるから後1泊に出来ないか提案した。

最初は、渋っていたが、受け入れてくれた。
最後夜も、皆んなで食事をとった。朝も昼も夜もとにかくフランス人は食事の時間が長いとは聞いていた。最初は、そのペースにあわせていたけれど、2時間近くかかるので、最終日ともなれば、ある程度のところで、切り上げて、家族でご飯を食べてもらった。

3泊4日、貴重な体験ではあったけれど、外国人を受け入れるのって大変だなと感じた。ホストファミリーをする人は、本当にボランティア精神に満ち溢れたいい人しか出来ないと思う。

娘が、大学に入ってイギリスに留学をした時、フランス人従兄弟に連絡をとって、何日かだけでも泊まらせてくれないか頼んだら、あっさり断られた。

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