キャッシュレス時代の貯蓄方法

キャッシュレス時代の貯蓄方法は、結論から言ってしまうと「家計簿を付ける」ことしかない。
正確には、家計簿を付けた上で更に「削れる出費を削る」という「出費の取捨選択」が必要になるが、やはりまずは家計簿だ。

私は2019年から家計簿を付け始めた。
新しい年を迎えたのを機に、そのキッカケになった出来事を思い出してみる。
私はそれまではクレジットは使わず、買い物は現金オンリーで済ませていた。
月始めに12万円を銀行から下ろし、1週間に3万ずつ財布に追加していく。1週間に3万なら、1日に使える金額は4,000円以上。毎食コンビニで済ませても余裕がある。週末になって足りなくなれば、1万程を銀行で下ろして財布に追加する。かなりゆるい家計管理だ。

そんなザル勘定でも貯金は出来ていた。
年末年始に通帳の残高を確認するのだが、毎年100万ずつ貯金は増えていく。それを見て安心するのが恒例行事だった。
しかし、2019年は違った。
毎年決まって100万増えていた貯金が、その年は50万しか増えていなかった。
心当たりはある。新しい趣味を見つけ、その出費がかさんでいたからだ。
その事に私は納得するが、同時に危機感を持った。年間貯金額が50万というのはどうにも心許ない。3桁は死守したい。
それに考えてみたらおかしい。私の年収は僅かながらも年々増えてきているのだ。なのに年間の貯金額は決まって100万円。新卒1年目の頃から増えていない。つまり生活費が右肩上がりになっているということになる。しかし生活水準はそこまで上がっているという実感がない。

…お金が消えている…?

正直、家計簿を付け始めたのは「もしかしたら物理的にお金を落としているのかも」と思ったからだった。
もしそうなら原因を突き止め、お金を落とさないような財布、生活習慣に切り替えなくてはならない。
とりあえずはお金の流れを把握しようと、家計簿アプリをダウンロードして、まずは1ヶ月、家計簿をゆるーく付けてみた。

1ヶ月付けてみて、まずは食費が目に付いた。月に10万近くかかっている。月初めに下ろしてくる生活費の9割近い。
計算してみると納得がいく。一日3食コンビニで済ませたとしたら、一食1,000円として1日に3,000円。月30日で9万円。休みの日に外食でもすればあっという間に月10万になってしまう。
それが分かったので、次の月には自炊の割合を増やす事にした。
どの程度自炊を増やせば、食費をどの程度まで抑えられるか。
ストレスの具合は?時間的な余裕は?仕事に支障が出るのは絶対に避けなくてはならない。無職になればおまんまの食いあげだ。それでは元も子もない。
色々加味した結果、食費は3万〜4万に抑える事に成功した。家計簿を付け始めて3ヶ月目頃だったと思う。
そうすると月に6〜7万、他に資金を回すことができるようになる。趣味に使ってもいい。服を買ってもいい。もちろん貯蓄するのでもいい。
私は「これは面白い」と思った。

貯蓄を増やすには2つの方法しかない。
「収入を増やす」か「出費をコントロールする」かだ。
「収入を増やす」であれば、転職や副業、夫婦の片方が働いていないのであれば共働きになることだ。
だが収入なんて誰でもそう簡単に増やせるものではないし、そもそも収入が増えればその分生活は派手になる。年収が微増していた私の貯金額が毎年一定だったことからも分かる。必ずしも年収アップが貯蓄に繋がるとは言えない。
私は「出費をコントロールする」ことが、貯蓄においては何より大事だと思う。
切り詰めるのではない。コントロールするのだ。何にどれだけ予算を使うか、自分で取捨選択をする。そのための家計簿だ。

あれから5年。私は今も家計簿を続けている。
当時は現金派だったが、今ではクレジットと電子マネー決済が主体となり、ますます家計簿が手放せなくなったと感じる。
現金払いだった頃は、物を買えば目に見えてお財布の中身が少なくなっていくので、使い過ぎに早い段階で気付ける。しかしキャッシュレスだとそうはいかない。気付けばローン地獄、リボ払い地獄、貯金ゼロになってしまう。恐ろしい罠だ。
家計簿を付けて出費をコントロールすれば、本当に自分に必要な物に躊躇なくお金を使えるようになる。
家計簿を付け始めてから、私は冷蔵庫、洗濯機、掃除機を、ローンを組まずに即買い替えることができた。貯金額にも全く響いていない。ストレスフリーの生活だ。
次は乾燥機を買うのもいい。
そんな目論見をしつつ、今年も家計簿に勤しむ事にする。

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