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500年後の鳥の話と石の金の話をしよう

あなたは今にも飢え死にしそうな500年後を生きる「ある動物」である 季節は冬。 猛吹雪の中、裸で凍え死にそうになっている。 もう10日も何も食べていない。雪ばかり口にしているので下痢を繰り返し、何もかもが限界だった。 その時、1羽の鳥が目の前に降り立った。 空腹と寒さのせいで目はかすんでいるので、それがカラスなのか鳩なのかすずめなのかも分からない。 だが、あなたはただひとつだけ確信していることがある。 「絶対に、鳥は食わない」 これである。 なぜか? あなたにとっ

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       1……2、3、4……5匹の魚が泳いでいる。  ガラスの水槽の中で、水草がゆらゆらと揺れている。なんて大きな水槽だろうか。小学生くらいの子どもであれば、二人くらいは入れそうな。いや、魚もよく見れば随分と肥えている……真っ青な鱗と、赤い瞳?――頭の裏がズキンと痛んで、瞬きを繰り返す。  ひどい目眩だ。そういえば昨日は随分と深く飲んだから……。  それから、ハッとする。 「ここは、どこだ」  立ち上がろうとすると、手足が重力に引っ張られる――いや、ちがう。布だ。袖口がない手術

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