さっき出会った人のことを語るように、さっき行った場所を語るように、そんな風に江戸の町のことを書かれている本です。
情報が多すぎる現代が生きづらく、こんな江戸に憧れを抱く人も多いのではないでしょうか。
杉浦さんはこのように記されています。
所詮、ないものねだりと常々思わずにはいられませんが、病の身でこの言葉を連ねた杉浦さんは、とても強いお方だと感じます。
心に残った箇所を下記に引用していきます。
いつからか生きることに「価値」や「資格」がいると錯覚してしまった様に思います。
とりあえず生まれたから生きている、それだけで十分なはずです。
メニューに口出しができる程、私たちの暮らしは豊かになってしまった(自分はどうかはさておき)ということでしょうか。
この価値観、非常に私の理想だと思いました。
モノやヒトが周りにあまりに増えてしまうと生きづらくなってしまうような気がします。
本当に大事なことはとても少ないのかもしれません。
ないものねだりではありますが、江戸の空気感を求める現代人はたくさんいるのではないかと感じられた本でした。