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目的も目標も、話している意図も同じなのに対立が起こる

人は情報を一つの塊、つまりチャンクとして処理する。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報の場合も、ミスコミュニケーションの中味には様々な詳細な要素が入った、一つのチャンクになっています。

起きているという内容も、対立なのか、行き違いなのか、中味が色々あります。そして、このチャンクレベルの違いが、対立などのミスコミュニケーションを呼んだり、行動にぶれが生じたりすることがあることをお話ししたいと思います。
 
1.チャンクレベルには、一般化、具体化、横展開の3つがある
 
情報を処理する際に、チャンクレベルは非常に重要です。ミスコミュニケーションの場合、一般化、具体化、横展開の3つのチャンクレベルが存在します。
 
一般化は、情報を広く捉えることを意味します。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報を一般化すると、「組織の課題」というようになります。

このレベルでは、具体的な要素が欠けるため、話の内容が抽象的になりますが、広く全体像を押さえることができます。
 
具体化は、情報を詳細に分解し、具体的な要素を含ませることを意味します。ミスコミュニケーションの具体化の例としては、「Aさんがメールの内容を誤解したため、情報が伝わらなかった」といった具体的な要素を含めることです。

このレベルでは、詳細な情報が分かりやすくなりますが、全体像が見えにくくなることがあります。
 
横展開は、情報をさらに広げて新たな似通った要素を含めることを意味します。ミスコミュニケーションの横展開の例としては、「Aさんが情報を誤解したことに加えて、Bさんが不明確な指示を出した」といったように、他の要素も関連付けて考えることです。

このレベルでは、起きている事象の事例を把握することができますが、情報が複雑になりすぎてメッセージが伝わりにくくなることがあります。
 
2.話している意図が同じなのに、違うように見えてしまう
 
チャンクレベルの違いにより、話している意図が同じであっても、違うように受け取られることがあります。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報は、チャンクレベルによって以下のように解釈が異なる可能性があります。
 
・一般化の場合:組織の課題として、コミュニケーション全体に問題があると受け取られる可能性があります。この場合、話の展開としては、オフィスのレイアウト変更などに向くことも考えられます。

・具体化の場合:特定の人や場面でのコミュニケーションの問題と受け取られる可能性があります。この場合の展開として、特定の人への教育や指導を考えるかもしれません。

・横展開の場合:他の要素や要因も関連付けながら、問題となっている事例が多く出され、より複雑な問題として受け取られる可能性があります。
 
これらにより、もともとは、組織運営を円滑にしようという意図がずれることで対立が生じたり、誤解が生まれたりすることがあります。
情報を伝える際には、チャンクレベルを適切に意識することが重要です。

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