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耽楽的楽曲紹介第5回 灰色の季節っぽい楽曲

第11回_片倉は灰色の季節に恐れている_2024.0225|耽楽的音声記録 (note.com)より。
今回は長年うんざりしながらも色々と考えさせられてきた「灰色の季節」(1月中旬~3月くらいにかけて寒さと曇り多めの風景がずっと続く季節)に合っている感じの楽曲を紹介。


  • 1曲目 Giles Corey「Hinterkaifeck」

  • 2曲目 8th wonder「徒然なる街に」

  • 全く灰色とは無縁の番外編 Vanessa Carlton「A Thousand Miles」

1曲目 Giles Corey「Hinterkaifeck(2013)」
 Hinterkaifeck | Giles Corey (bandcamp.com)
雰囲気で聴いていましたがアルバムタイトルは20世紀初頭に起こった未解決殺人事件の舞台となったドイツ南部の牧場の名前という不意打ちを喰らった。曲自体は霧の中をさまようような灰色の風景を感じさせるものだったが内容はかなり局地的なので思ったのとは違うという身勝手な感想。

「Winter`s House」
Oh, my love, my ancient son
おお、我が愛しき古の子
angry at everyone
皆の怒りを受け
mouth full of thorns pulled from nature's back
棘で一杯の口が摂理に反して引っ張り出される
yeah, we'll never forget that
我らが忘れる事はなかろう

Born on an ancient day
古き日に生まれた
named with an ancient name
古き名前と共に
they don't know, they don't care
彼らは知らない、気にもしない
they don't notice that you're there
お前がそこにいる事には気づかない

Oh, my love, my ancient son
おお、我が愛しの古き息子
pacing your attic floor
お前の屋根裏部屋を歩き回っている
God's in his church with his guilty spires
神は彼の罪深い尖塔のある教会にいる
yeah, he's no friend of ours
ああ、彼は我らの友ではない

Kings of a rising tide
満ち潮の王が
nursing our wounded sides
我らの傷ついた部分を看護する
we don't know, we don't care
我らは知らぬ、気にもしない
we don't notice that you're there
我らはお前がそこにいる事にも気づかない


2曲目 8th wonder「徒然なる街に」(『ヴァルハラ』(2009))
残念ながらBandcampにはなくItunes等で購入可能。
Amazon.co.jp: ヴァルハラ: ミュージック
今回のテーマとの関連性を踏まえて改めて聴いたらやはり良かったし、今のところ最もこの季節の灰色ぶりを表現してる気がする曲。詩人3人がそれぞれ詩的な言葉を探しながら街をうろつく様からは彼らのテーマである「焦燥」が感じられるし、その態度自体を曲にするあたりからも8thらしくもあり彼らの中でも最も色々な時に聴ける曲。

シティ 支離滅裂な 四季耳に徒然草 利子は義理に体くべるが ジリッと回るダブプレーツは?
という分かるようでよく分からないHookもまたいいです。




番外編
Vanessa Carlton「A Thousand Miles」

「ボーはおそれている」でまさかの遭遇をしたこの曲が近頃頭を離れないので番外編として一応紹介。僕が紹介するまでもない有名曲ですが、映画館に行く前に観た「最凶女装計画(原題「Black Chicks)」の劇中歌としてギャル達と買い物に付き合わされる際に女装した捜査官が聞かされ、さらにそれを女装捜査官をしつこくデートに誘ってくるテリー・クルーズ(どう見てもギャングスタラップとか聴いてそうなマッチョ)に対して嫌がらせとして流したところで…という2段構えのギャグに使われていたのが笑えました。以後もテリー・クルーズはこのシーンを持ちネタとして使ってるみたいです。
僕も最初は女装捜査官と同じ心境で軽いPopとして認識していたのに、こんな使われ方をした事で何度も聴いています。やはり楽曲というのは出会い方、使われ方が重要なのだと思う一件でした。

(このシーンで使われてる部分のみの訳)
Makin' my way downtown
ダウンタウンを
Walkin' fast, faces pass
早足で歩いて
And I'm homebound
家に帰る
Starin' blankly ahead
ぼんやりと前を見つめて
Just makin' my way
ただ進む
Makin' a way through the crowd
人混みを抜けて進んでいく

And I need you
貴方が必要なの
And I miss you
恋しいの
And now I wonder
そして思ってしまう

If I could fall into the sky
もし空に落ちていけるなら
Do you think time would pass me by?
時が私を通り過ぎていったら?
(「最凶女装計画」の訳では「もし時が止まったら」とさらに進んだ訳)
'Cause you know I'd walk a thousand miles
だったら1000マイルだって歩いて行けるよ
If I could just see you
ただ貴方に会いに行くためだけに
Tonight
今夜

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