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変わらないおもい

松岡享子さんの「えほんのせかい こどものせかい」(文春文庫)を
読み始めています。

2017年から、文春文庫として出版されたのですが、
この本書の一部は、1968年4月から1969年3月の
福音館書店発行の月刊絵本「こどものとも」の折込付録で
発表されたものなのです。

「1968年」「ん?」
そうです。なんと約50年前です。
文庫版の『あとがき』で松岡享子さんが以下のように述べています。

「この機会に本書を改めてはじめからしまいまで
ていねいに読み返してみて、
今、わたしが「若いおかあさん」たちに何かお話しするとしても、
まったく同じことを、同じことばで申し上げるだろうと思いました。
子どもたちに、幼いうちに本の楽しみを知ってほしいと願う気持ちと、
それには、まわりにいるおとなの人に、
「どうぞ本を読んでやってください」と、お願いするしか手はないのだと
いう事実は、五十年前と少しも違っていないからです。

この言葉は、あまりにも凄いです。
50年経っても変わらないというのは、
当時すでに、松岡享子さんが、
その大切さに気づいていたということ。
そして、環境がこれだけ変わっても変わらないというのは、
それだけ重要だということ。

それを松岡享子さんのような、学び続けた人が述べるのです。
もっと、もっと、深く重いです。

まだ前半部分ですが、
すっーと胸に入ってくる内容ばかりです。

脳科学が進み、新たなことも分かってきました。
絵本を読んでもらったり、お話を聞いたり、
自分で読む時は、前頭葉が活躍するのです。
(テレビやビデオの映像、ゲームをしている時は、
脳の後頭葉で、前頭葉は働きを停止しているのです)
※前頭葉は、脳の中でもっとも高度な機能をもつ重要な部位

幼稚園勤務時代、絵本を子どもたちに読ませてもらうのは、
僕にとって、ただただ幸せな時間でしたが、
子どもたちにもよい面があったと改めて知ると、
「あれでよかったんだ!!」と嬉しく思います。

つづきも楽しみです。

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