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読書録「まちがったっていいじゃないか」

森毅「まちがったっていいじゃないか」(ちくま文庫)

教室はたくさん間違える場所だ。

人は皆、不完全で叩けばホコリが出るけれど、その人にしかない素晴らしい個性をもつ。

そのような個性を自分自身で磨き上げるためにも失敗を恐れず、周囲のネガティブな意見に流されず、素直な気持ちを大切にすることを本書は教えてくれた。

強者が弱者をいたわる、そんなものだけがやさしさとは、ぼくは思わない。ドジでないという特権において、ドジな人間をいたわる、といったものとは思わない。人間に共通な弱さを共有することのほうが、やさしさというものだろう。

人間というものは、ドジで弱くて、さびしいところがある。連帯などとは言うけれど、孤独に根ざさない連帯なんて、はかないものだ。人間のひとりひとりが、ドジなところがあって、心の底にさびしさを持って、その共通なところで通い合う心が、やさしさというものだろう。
(p23)

著名な数学者が中学生向けに書いたもので、平易な言葉の語り口は読みやすい。

中学生のみならず何がしたいのかわからない、好きなことがない、転職したい…などなどキャリアに迷いや悩みがある人にもオススメできる一冊だ。

今日も皆様にとってよい一日でありますように。


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