いつかのトリックオアトリート!
秋晴れで過ごしやすい気温の日曜日。
いつも通り近所の大学図書館で数学の学習をする。
このところ仕事が忙しく平日に勉強することができなかったのでカンを取り戻すまでしばらくかかりそうだ。
ずっと同じ姿勢で座りっぱなしだったので、凝り固まった身体をほぐすためキャンパス内を散歩することにした。
イチョウの木々は、すっかり紅葉し季節の移ろいを感じさせる。
秋から冬にかけての最後の彩りは、数字や記号ばかりを追っていた僕の目を癒してくれる。
鮮やかな紅葉、金木犀の香り、落ち葉を踏みしめる時の音に心地よさを感じる時、僕はありふれたものに美しさと感じられるのは、なんて幸せなのだろうと静かな喜びを感じる。だって心に余裕がなければ、きっと心を動かされることもないのだから。
イチョウ並木を歩いていると前方から学生らしき男女が手を繋ぎながら歩いてきた。ぎこちない歩みに恐らく付き合い始めたばかりなのだろうと勝手に想像する。
ジロジロと凝視するのは野暮ったいので、すれ違いざまに軽く会釈をして通り過ぎたが、若い2人の互いに、はにかむような表情にほっこりとしてしまう。
僕が彼らくらいの年齢だったら
「リア充爆発しろ」とか毒づいていただろうに30代になって酸いも甘いも色々経験した今となっては、
「末永くお幸せに」
と若い2人の小さな愛の物語を応援したくなる。
恐らくこれから先、様々な困難や障害に直面するかもしれないが、今この瞬間の幸せを謳歌してほしい。
いつまでも手をつないで
いられるような気がしていた
何もかもがきらめいて
がむしゃらに夢を追いかけた
君がいなくなることを
はじめて怖いと思った
人を愛するということに
気がついたいつかのメリークリスマス
立ち止まっている僕のそばを
誰かが足早に通り過ぎる 荷物を抱え
幸せそうな顔で
B'z「いつかのメリークリスマス」
Spotifyを立ち上げたら偶然にもフジファブリックの「赤黄色の金木犀」が流れてきた。
何故か無駄に胸が騒いでしまう日曜の午後だった。
明日も皆様にとってよい一日でありますように。
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