春休みに飽きた大学生の回顧録

永遠のような長さに感じられた春休みも残り2週間になってしまった。2か月も自由な時間があったらなにかしら成し遂げられそうではあるけれど、残念ながらこの2か月で秘められた才能が開花することも運命的な出会いもなく、残るは実家に帰るというイベントを遂行するのみである。
 中高と吹奏楽部という名のブラック部活に青春をささげた私にはどうやら長期休みという概念がないのかもしれない。わかる人にはわかる話だとは思うが、吹奏楽部ってオフシーズンがない(ほかの部活もそうか)。夏休みは言わずもがなコンクールにすべて消えるし、それが終わったら秋の文化祭、それも終わったら今度は春の定期演奏会で、そこで3年生が引退したら今度は新1年生を巡った新歓の争いに向かっていく。6年間の週末を思い返してみても、休みに友達と遊びに行くってとんでもない高難易度ゲーだった。だって休みが休みじゃない。朝から夕方まで部活しかない。現役の時は休みが欲しいなあと思っていたものだが、いざ引退してみると大学からなぜか運動部に入部しているし(なんなら吹奏楽も続けているし)、このままいけば将来限界まで働いて過労死しそうで怖い。
 本当はもっと絵にかいたような大学生活を送る予定だったのだ。1限を切ってゆるい授業を選び、バイト三昧で空いてる日は友達と飲みでオール、昼夜が逆転しかけているちょっとただれた人生の夏休みを送る予定だったのに。そう考えると完全に選ぶ大学も学部も全部間違えた結果が今ではあるが、今は今でなんだかんだ満足しているのだ。ほなええか。
 あしたもバイトだ。それが終わったら帰省。久しぶりに会う友人や後輩を楽しみに、荷造りでも始めるとしようか。
 

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