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Photoshop実践講座 〜痒いところに手が届く、Photoshop技法「10の事」〜 @Adobe MAX

スピーカー

畠山祐二 さん
博報堂プロダクツ
レタッチャー
小柴託夢 さん
博報堂プロダクツ
レタッチャー

「10の事」
① 環境設定、カラー設定、ワークスペースが知りたい!
② 簡単に肌修正したい!
③ 合成した人物の髪の毛馴染ませたい!
④ メガネの写り込みを消したい!
⑤ トーンジャンプを抑えたい!
⑥ 曇った空を晴れの空に差し替えたい!
⑦ 携帯に画面を合成したい!
⑧ かっこよくモノクロにしたい!
⑨ 単純作業を自動で効率化したい!
⑩ 簡単に写真の雰囲気をよくしたい!


① 環境設定、カラー設定、ワークスペースが知りたい!

[一般]
「従来の自由変形を使用」にチェックを入れておく事で、今まで通りの設定で使用することが可能になります。

[ワークスペース]
デフォルトだと「フローティングドキュメントウィンドウの結合を有効にする」にチェックが入っているのですが、チェックをはずします。

[カーソル]
「その他のカーソル」を「精細」にします。そうするとブラシのサイズが見やすくなります。※ デフォルトは「標準」。

・キーボードショートカット
「従来方式の取り消しショートカットを使用」にチェックを入れることで、今まで使用していた「Ctrl(command) + z」のように双方でのUndo / Redoを行うことができるようになります。

・パレット
シングルモニターで行う場合は、パネルを結合して行います。
タブ:レイヤー・チャンネルパスアクション
最小化されたツール:ヒストリーヒストグラム色調補正CCライブラリ
これらを配置しておくとレタッチがとても快適に行えます。

・カラー設定
編集 > カラー設定 を開きます。
設定を「一般用 – 日本」から「プリプレス用 – 日本2」に変更します。
作業用スペースのRGBが「Adobe RGB」に変更されるので、こちらを使用しすると良いでしょう。


② 簡単に肌修正したい!

わかりやすくライトな修正方法をご紹介!
「しみ」「そばかす」が多い方の肌修正を行うやり方です。
まず、背景レイヤーを複製し、その複製したものに修正を加えていきたいと思います。

フィルター > ノイズ > ダスト&スクラッチ ] をクリックすると、
半径としきい値という二つの数字があるのですが、画像サイズによって変わるので、適宜変えてもらえば良いのですが、結構ぼかしてしまって良いです。

そして、黒いマスクを追加するのですが、
レイヤーパネルにあるマスクレイヤーを「Option」を押下しながら、
クリックすると黒いマスクを作ることができます。
筆圧の効いたブラシを使用して、塗りを重ねてあげます。

極力、目や鼻、輪郭などの周りは触らないようにし、軽く重ねてあげてください。そうすると、媒体によりますが、以上のみで肌修正が可能になります。


③ 合成した人物の髪の毛をなじませたい!

例えば、白背景で撮られた少しカールがかかった髪の毛の女性の写真を
どんな背景にも馴染むようにして欲しいと言われた時の対処。

人物のマスクについては、基本通りにやってもらいます。
どれくらいマスクがちゃんとかかっているかを見てみると
結構エッヂが残っていますよね。

これをなじませるために、まずレイヤーパネルの調整レイヤー > トーンカーブを表示します。ハイライト部分を落としてあげると写真自体は暗くなりますが、髪の毛はだんだんと馴染んでいきます。

馴染んできた必要な部分だけブラシで書き出します。
(色の濃淡に関しては、黒髪であれば「トーンカーブ」を使用して調整してみてください。)

そうすると、汎用性の高い人物写真を使用することができます。


④ メガネの写り込みを消したい!

まず写り込みの選択範囲をとります。
ペンツールでパスを取るように範囲を指定します。

パスツールのTipsですが、極力ポインターは少ない方が綺麗な曲線がかけます。パレットをパスにして、作業用パスになっているので、ダブルクリックをして、名前を「パス1」に変更します。

そして、commandを押しながら、パス1をクリックするとパス部分が選択範囲に変わります。レイヤーパネルに戻り、調整レイヤー > トーンカーブ を開き、RGBのチャンネルを下に下げます。

メガネなので、肌の部分とまつげなどの毛の部分で濃さが変わるので、
トーンカーブに点を増やし、濃度を調整していきます。
境目は、トーンカーブのみだと厳しいので、ぼかしを入れてあげることでなじませます。フィルター > ぼかし > ぼかし(ガウス)を選択し、「半径を1.0px」にします。そうすると、少しだけ馴染みます。

これでも消えない場合は、新規レイヤーを作成し、スタンプツールを使い、
馴染ますことができます。

これで綺麗にメガネの写りをなじませることができます!

⑤ トーンジャンプを抑えたい!

トーンジャンプとは?
グラデーションの階調がだんだんと滑らかでないことを言います。

これを直したい!

お昼に撮った写真を夕方にして欲しいという依頼がよくあります。
これをレタッチしていきます。

まずレイヤーパネルから調整レイヤー > トーンカーブ を表示します。
RGBのRedから赤くして、Blueで黄色くしていきます。
もう一つトーンカーブを出し、写真のトーンを全体的に落としていくとトーンジャンプが出てきたところを消していきます。

メニューバーのイメージから作業レイヤーを複製します。
複製したレイヤーを選択し、イメージ > モード > 16bitに変更します。

レイヤーパネルにあるハンバーガーメニュー > 画像を統合 することでトーンカーブを消すことができます。「16bit」に変更するというのが肝ですね!画像24

⑥ 曇った空を晴れの空に差し替えたい!

撮影に行って、写真はとれても空がよくない時があります。
そんな時の対処法です。
まず撮ってきた写真に雲の写真をレイヤーとして乗っけます。

自由変形を使って、サイズを合わせます。
この状態でレイヤーパネルの雲のレイヤーをダブルクリックし、レイヤースタイルを表示させます。
レイヤー効果 > ブレンド条件 を「グレー」から「ブルー」に変更し、

「下になっているレイヤー」のスライダーを右にドラッグすると空部分にだけ雲が乗った感じになります。

レイヤーパネルには、マスクの表示はないのですが、マスクをかけた状態になっています。

太陽が照っている写真に空の写真を乗っけるときも同様の作業をすれば乗っけることができます。

ただ、雲も乗せて、かつ太陽が照っているのも欲しいとなったときですが、その際はレイヤーのモードをスクリーンに変更することで太陽も反映した状態の写真になり、自然なものになります。


⑦ 携帯に画面を合成したい!

スマホの画面に特定の画面を挿入したいということで、
まず挿入したい画面をレイヤーとして乗っけます。
そのレイヤーを選択した状態で、編集 > 自動変形 をクリックし、
レイヤーを右クリックし、自由な形を選択して、スマホの画面に合うように四つ角に合わせます。

そしてマスクをとり、そのマスクレイヤーに画面のレイヤーをドラッグ&ドロップします。
ただ、ここまでだとまだなじみがなく、浮いてしまっています。

そこでもともと入っている指の影や写りなども生かしたいので、
画面のレイヤーの描画モードをスクリーンに変更します。
これでもまだなじみが悪いので、マスクのフォルダごと不透明度を合わせると
綺麗に馴染むようになります。


⑧ かっこよくモノクロにしたい!

モノクロにしたい写真のレイヤーを選択して、レイヤーパネルの調整レイヤーから「白黒」を選択すると、
文字通り白黒になります。

ただこれの凄いところが、色によって濃淡をスライダーで調節することができます。
なので、作成したい写真によって、硬めや柔らかめの印象を作成したいものに設定することができます。

また白黒パネルの左上にある指ボタンをアクティブにすると
スライダーでの変更だけでなく、写真をドラッグすることで濃淡を変更することも可能です。


⑨ 単純作業を自動で効率化したい!

作業から納品までで使用する主な3つの拡張子
・作業用「psd」:レイヤーが保存できる
汎用性・圧縮:低
データ:重
・入稿用「tif」:レイヤー統合し、印刷向き
汎用性・圧縮:低
データ:重
・クライアントなど確認用「jpeg」:web向き
汎用性・圧縮:高
データ:軽

作業用「psd」を入稿用「tif」とクライアントなど確認用「jpeg」に瞬時に振り分け流アクションを作りたい!
アクションとは?
連続した一連の作業を記憶しておき、ボタン一つで作業を再現する機能
バッチ処理とは?
複数のファイいるに対して、アクションを使用して一括処理してくれる機能

バッチ処理
ファイル > 自動処理 > バッチ
アクションは、もともと作ってあったものを選択し、ソース(元になるフォルダ)を選択し、
「OK」を押すと裏で処理を自動的に完結してくれる。

自分なりのアクションを作るのが良い!(ネットに作成の仕方は載っている。)

⑩ 簡単に写真の雰囲気をよくしたい!

納品前の完成した写真なのですが、もう少し雰囲気をよくできないかなという時に使える技を紹介します。
まず「CCライブラリパレット」を開くと自作したフォルダ(よく使用する写真を入れておく)が開きます。

その中から、相性が合いそうな写真を選択し、レイヤーを重ねます。
そのレイヤーをスクリーンにし、写真になじませます。

やりすぎた際には不透明度を変更し、よりよく見えるようにします。
人物でも風景でも使えるので、とても便利で簡単に一手間をかけることができる。

「レンズ フレア」とAdobe Stockで検索することでいい感じの画像を取得することができる。


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