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中学校での講演会についての活動報告

1. 中学校で講演会をしてきました!

こんにちは、ブレイリーずです!
遅くなってしまいましたが、3/6に地元の中学校で視覚障害に関する講演会を行なってきたのでご報告したいと思います。

 今回は、中学3年生約200人を対象に90分間にわたって講演をしてきました。このような大規模で長時間の講演は私たちにとって初めての挑戦だったため、話の構成やタイムマネージングなど終始ドキドキしていました(汗)。そんな中でも、1年前から打ち合わせをするなど先生方のお力添えをいただきながら、無事に講演を終えることができました!

2. 白杖を持っている人の中で全盲は約何割でしょう?

 いよいよ講演会のスタート!まずはじめに、私たちは生徒の皆さんにこのような問いかけをしました。

「白杖を持っているひとの中で全盲は約何割でしょう?」

3択にして答えてもらいました。答えとしては「約2割」なのですが、多くの生徒が白杖を持っている人はほとんど全盲だと想っていたようで…思いの外、全盲者は少なかったという事実に驚いた様子をみせてくれました。この事実を踏まえた上で、残りの約8割の視覚障害者が抱えている見えにくさについて、複数のイメージ図を用いながら説明していきました。

講演会のワンシーン。視覚障害と一口に言っても見え方は様々ということを、イメージ画像を用いて説明しました
講演会のワンシーン、視覚障害には全盲以外にどのような見え方があるのかを紹介しています。

3. 視覚障害者でもできることは色々!

 視覚障害者といっても、見え方や必要な配慮は人それぞれだということを伝えると、次に生徒たちの頭によぎったのは「見えにくいとできることは少ないんじゃないの?」という疑問。
講演をする前にもっていた視覚障害者へのイメージを聞いたアンケートの回答にも、「生活が大変そう」、「自力でできることは少ない」、「常時サポートが必要」、「娯楽がない」といった声が多くあがっていました。でも、そんなことないんです!…ということで視覚に障害があってもできることを色々紹介してきました!

 例えば、「パソコンやスマートフォンなども音声読み上げソフトがあれば使える」ということ。今回の講演で使用したスライドも、私自身が音声読み上げソフトを利用しながら作成しました。そのことを伝えると皆、驚いた様子!
他にも、「娯楽で映画も見る」ということや「料理もするよ」、「ショッピングにも行くよ」といったことを伝えることで、少しずつ生徒の皆さんがもっていた視覚障害者へのイメージに変化が現れてきたようでした。

4. こんな時に声をかけてほしい!

 生徒の皆さんの視覚障害者に対するイメージを変えたところで、次に話題にしたのが声かけのポイントについて。
できることも色々ある一報で、自力でできることにも限りがあります。アンケートにも、「街中で白杖を持った方を見かけたことはあるけど、どうすればよいのかわからず何もできなかった。」という声が多数ありました。そこで、当事者目線で「こんな時に声をかけてほしい!」といった声かけのポイントをシチュエーション別にお伝えしました。

 例えば、「横断歩道での場面」や「公共交通機関内での場面」でどんなことに困っているのか、なんて声をかけるといいのかなどについてです。また、当事者に直接声をかけることになかなか勇気をもてない人でもできるサポートについてお伝えしました。

「こんな時は、声をかけてほしい」というタイトルのスライド。左は赤信号のイラスト。右側には青に変わった信号と、白杖を持って歩く人のイラストが。吹き出しでは、参考として「青になりましたよ!」という声かけを例として載せている
講演会で使用したスライドのうちの一枚

 それぞれに「自分たちにできることは沢山あるんだ!」、「こんな簡単なことでも助けになるんだ!」という気づきをもってもらえた充実した時間となりました。

5. 勇気をもった声かけで救われる人がいる!

 今回お話をした生徒の中には、「実際に街中で白杖を持った人を見かけたことはあるけど、なんて声をかければ良いかわからず何もできなかった。」、「白杖を持っている人を見ると気にはするけど、じっと見るだけになってしまう。」という声が多くあがっていました。

その理由としては、「声のかけ方がわからない」に次いで「逆に迷惑になるんじゃないか?」、「声をかけられるのは嫌かな?」と思ってしまうという人が多いことがアンケートからわかりました。

確かに、中には「大丈夫です。」と断る人もいると思います。しかし、声をかけられたことを不愉快に感じているとは限りません。私たち視覚障害者も、自力で歩ける道を少しでも増やすために、日々歩行練習に励んでいます。だから助けがなくても大丈夫な時もあるんです。もし、声をかけて断られてしまったときには「ではお気をつけて!」とあたたかく見守っていていただけると嬉しいです。
そして、また別の機会に白杖を持っている人を見かけたらぜひ積極的に声かけをしてほしいです。あなたの些細な声かけで救われる人もいます!

このことを聞いた生徒のみなさんからは、「これから待ちで見かけたときには勇気をもって声をかけてみようと思う。」、「声かけが難しくても、自分ができそうな援助をしようと想う。」というような感想をいただきました。
これらの感想から、私たちが伝えたかったことがしっかりと伝わっていたことがわかり、とても嬉しく感じました!

講演会で使用したスライドのうち一枚。視覚障害者の手助けをするというタイトルのスライド。なるべく障害物をなくしてくれると助かりますというキャプションと、点字ブロック上を歩行する白杖を持った人のイラスト。その人の前には自転車が置いてあり、赤い文字で危険!と書いてある
点字ブロックの上にあるものを退けたり、
音響信号のボタンを押してくれたりすることだってさりげない援助になります。

6. 事後アンケート

 今回、講演会を終えて生徒の皆さんには簡単なアンケートにご協力いただきました。その中でも、私が嬉しかった項目をご紹介したいと思います。
 それは「講演を通して視覚障害者に対するイメージは変わりましたか?」という質問です。

全体の94%は変わったと答えてくれました。この94%のほとんどの生徒が「視覚障害者はできることが少ないんじゃないか?」、「常に誰かの助けが必要」、「視覚障害者は全員全盲」、「毎日大変そう」というイメージをもっていたため、講演を通してプラスなイメージに変換することのお手伝いができ、やってよかったと心から思えました。

 また、驚きだったのが、イメージは変わらなかったと答えた6%の中には「視覚に障害があっても活躍している人は沢山いるから自分たちとは変わらない」、「社会全体で支えていくべき存在であり、自分たちと同じ人間」と講演前から考えている生徒もいたということです。このことを知り、私はとても感銘を受けました。

7. 講演を終えての感想

 最初に述べたように大勢の中学生の前で90分間もの間講演をするのは初めての体験でした。90分間、生徒たちが飽きずに聞ける講演にするにはどうすれば良いのだろう?と沢山考えを巡らせました。

少しでも参加型にして楽しく興味を広げられる時間にできるように、クイズや問いかけを交えながら進めていった結果、「クイズがあって楽しく参加できた!「、「スライドがわかりやすく、説明が丁寧だったからイメージしやすかった!「という声をいただくことができ、ホッとした気持ちと嬉しさでいっぱいになりました!

先生方からも「生徒たちにとっていい気づきの場となりました!」、「是非また講演お願いしたいです!」とご好評いただけたため、今後活動するに当たっての自信とモチベーションになる体験となりました。
ただ、自分たちの中でもう少し中だるみのない内容に改善したい、アクティビティーを交えた講演会にできるようにしたいという反省点も残ったため、次回以降の機会に繋げていきたいと思います。

8. 今後の展望&ご報告

 この春から私たちBraillies(ブレイリーず)は二人揃って大学生となります!チャレンジしたいこと、思い描いていることを形にできるよう、どんどん活動の幅を広げていきたいと考えています。
その一環として、講演会や白杖・点字のワークショップなども場所を選ばず様々なところで実施していきたいと思っています!5月には早速、茨城県で中高生向けの講演のご依頼をお受けしています!ハイブリッド型という私たちにとってまた初めての挑戦となるため、対面参加者でもオンライン参加者でも楽しめる講演会になるように参加者の皆さんと充実した時間を作り上げていきたいと思います!!

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。講演のご依頼はインスタグラムのDMかBraillies共同メールにてお待ちしております。
今後とも応援の程よろしくお願いいたします!

instagram: brailles_ym
mail: braille.ym@gmail.com

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