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【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z(第1弾・伊豆下田→知多半島)

テレビ東京系で放映されている大人気企画「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は、2016年11月の特別編で、その後のZシリーズのレギュラーとなる田中要次さんと羽田圭介さんのコンビが誕生。2017年1月放映の元祖第25弾をもって太川陽介さん、蛭子能収さんは引退ということになりました。満を持して、Zシリーズ第1弾として2017年3月に放映されたのが今回ご紹介する伊豆下田→知多半島の回となります。

出発地は静岡県の下田。ゴールは隣県・愛知県の知多半島の突端である師崎港。マドンナはIMALUさんでした。

Z第1弾の実際ルート

一日目
下田駅-(東海バス西伊豆ライナー)-堂ヶ島-(東海バス西伊豆特急バス)-三島駅-(東海バスオレンジシャトルN05系統)-沼津駅-(富士急静岡バス根方線)-富士駅前
二日目
富士駅前-(富士急静岡バス富47系統)-由比駅上-(徒歩・薩埵峠)-新浦安橋-(しずてつジャストライン三保山の手線)-清水駅前-(しずてつジャストライン北街道線217系統)-静岡駅前-(しずてつジャストライン中部国道線84系統)-藤枝駅前-(しずてつジャストライン藤枝相良線)-相良営業所-(しずてつジャストライン相良浜岡線)-浜岡営業所-(しずてつジャストライン掛川大東浜岡線)-大東支所-(徒歩約1km)-報地-(秋葉バス秋葉中遠線)-横須賀車庫前-(遠州鉄道90系統)-浜松駅
三日目
浜松駅-(遠州鉄道10系統)-湖西市役所-(徒歩約9.5km)-二川東町-(豊鉄バス牛川金田線57系統)-豊橋駅-(豊鉄バス新豊線97系統)-豊川市民病院-(豊川市コミュニティバス豊川国府線)-国府駅-(豊川市コミュニティバス音羽線)-大榎橋-(徒歩約3km)-本宿駅-(名鉄バスくらがり線71系統)-額田支所前-(名鉄バス額田支所・市民病院線74系統)-市民病院前-(名鉄バス岡崎南市内線31系統)-東岡崎駅
四日目
東岡崎駅-(名鉄バス岡崎・安城線51系統)-安城駅前-(安城市コミュニティバス0番系統)-安城更生病院-(安城市コミュニティバス4番系統)-榎前- (徒歩約5km)-碧南市民病院(碧南市コミュニティバス)-(徒歩約0.5km)-荒子保育園前-(碧南市コミュニティバスみどりコース)-大浜小学校-(徒歩約6km)-知多半田駅-(知多バス常滑線)-常滑駅-(知多バス常滑南部線)-上野間駅-(徒歩約6km)-河和駅-(海っ子バス豊浜線)-師崎港

バス旅では珍しい隣県がゴールということでしたが、苦しい歩き、コミュニティバス乗り継ぎによる大苦戦を経て、最後はマドンナの「諦めたくない」のひと言で長距離の歩きを敢行した結果、最終バスに間に合うという奇跡の展開で、ドラマチックなゴールとなりました。前向きなマドンナがチームを鼓舞し、引っ張るというZシリーズならではの方向性が定まった記念すべき第1回といえると思います。

2024年のルート検証

それでは、2024年のダイヤで行ってみたら、3泊4日でのゴールは可能となるのでしょうか。バス路線の廃止が相次いでいますので、どうなるか検証してみたいと思います。

1日目
下田駅715→東海自動車・W40系統→817堂ヶ島948→東海自動車・W38系統快速→1159三島駅南口1230→東海自動車・N15系統→1312沼津駅1330→富士急シティバス・根方線→1409東平沼→(徒歩3.0km・45分)→船津1530→富士急静岡バス・根方線→1556吉原中央駅1630→富士急静岡バス→1715富士宮駅

実際ルートでは沼津から富士市まで直通するバスに乗っていますが、現在は途中の東平沼から船津まで途切れており、3kmほどの歩きを挟む必要があります。また、一行が2日目に乗った富士駅から由比駅を直通するバスも現在はなくなってしまっているようです。そのため、別のバスルートがある富士宮まで行って、この日は宿泊することになります。

2日目
富士宮駅715→山梨交通・富士宮駅線→801蒲原病院830→自主運行バス・由比蒲原病院線→847由比駅上→(徒歩5.0km・90分)→新浦安橋1041→しずてつジャストライン→1104清水駅前1128→しずてつジャストライン・北街道線→1212静岡駅前1247→しずてつジャストライン・中部国道線→1402藤枝駅前/藤枝駅南口1500→しずてつジャストライン・藤枝相良線→1608相良本通1620→しずてつジャストライン・自主運行相良浜岡線→1648浜岡営業所1715→しずてつジャストライン・掛川大東浜岡線→1737大浜中学校前1839→秋葉バスサービス・秋葉中遠線→1917袋井駅→(徒歩5.0km・75分)→磐田営業所2042→遠鉄バス・80系統→2052磐田駅

実際ルートでは途中の横須賀車庫から浜松駅へ直接向かう遠鉄バスに乗りましたが、現在、同路線は廃止されており、一度東海道本線沿いに戻って袋井経由で向かうことになります。袋井駅到着は19時過ぎ。駅前にはビジネスホテルがあり、そこで泊まりたくなりますが、袋井で宿泊してしまうと翌日の行程がうまくいかなくなるので、頑張って歩いて磐田まで進み、そこで宿泊することがよさそうです。

3日目
磐田駅652→遠鉄バス・80系統→747浜松駅757→遠鉄バス・12系統→831馬郡車庫→(徒歩9.0km・2時間15分)→湖西病院1153→コーちゃんバス・岡崎鷲津線→1229新所原病院→(徒歩2.9km・45分)→二川東町1411→豊鉄バス・二川線→1449豊橋駅前1515→豊鉄バス・豊川線→1550豊川市民病院1558→豊川市コミュニティバス・音羽線→1655名電長沢駅→(徒歩10.7km・2時間半)→美合駅1930→名鉄バス・美合線→2000東岡崎駅

実際ルートでも湖西市から県境を越えるところ、そして豊川市から岡崎市へと入るルートで徒歩を挟んで苦労していましたが、現在のダイヤではもっと深刻です。
特に、湖西市を走るバス路線網が壊滅的となっており、まず、浜松から直接湖西市に入るルートがありません。そこから9km歩いて湖西市中心部にたどり着き、県境近くの新所原まではコミュニティバスに乗車。さらに3km歩いて二川でようやくバスに乗れます。また、実際ルートでは途中3km程度の歩きを挟むだけで岡崎へと到達できましたが、現在は名電長沢駅から美合駅まで10km以上バスが繋がりません。
ちなみに、前日に磐田まで頑張って来た理由は磐田早朝発のバスに乗らないと豊川市民病院から名電長沢駅行の15時58分発の最終バスに間に合わないからです。結局その後に10kmの歩きを挟むものの、このバスを逃すとちょっと現実的ではない徒歩距離になってしまいます。
とはいえ、この日は合計で20㎞以上の歩きとなります。バス旅史上でも最も苦しい行程になると思います。

4日目
東岡崎駅740→名鉄バス・岡崎安城線→810JR安城駅825→あんくるバス・循環線右回り→845安城更生病院1000→あんくるバス・南部線→1037碧南市民病院1057→くるくるバス・みどりコース→1147称名寺→(徒歩5.3km・80分)→半田市役所前1305→知多バス・半田北部線→1320知多半田駅1400→知多バス・半田常滑線→1440常滑駅1715→コミュニティバスグルーン・常滑南部上野間線→1743上野間駅1838→行ってきバス自然号・西部コース→1851美浜町役場→(徒歩350m・10分)→河和駅1909→南知多町海っこバス・南知多美浜環状線→2001師崎港

実際ルートで一行はコミュニティバスの乗り継ぎに苦戦して、途中で歩いていたらバスに追い越されてしまったりしましたが、その乗り継ぎさえしっかり調べることができれば、安城更生病院から碧南市民病院までは直接バスが繋がっており、また、そこから衣浦トンネル近くの称名寺バス停まで歩きなしで進むことができます。そのルートで進むと、一行が最後諦めかけた、上野間駅から河和駅までも、歩くことなくバスに間に合い、20時過ぎに師崎港に到達することができます。

なお、実際の放映を観ていて、一行は一度知多半島の東側の半田から西側の常滑へと抜け、その後再び東側の河和へと歩いているのですが、もし最初から知多半島の東海岸を進んでいたら何かバスがあったのかを調べていましたら、以下のようなルートがありました。上記の4日目ルートで13時20分に知多半田駅に到着した後のルートです。

知多半田駅1400→知多バス・半田常滑線→1410青山駅1427→武豊町ゆめころん・赤ルート→1445武豊町役場1455→武豊町ゆめころん・青ルート→1507富貴駅東→(徒歩1.9km・30分)→梅乃木1700→行ってきバス自然号・東部コース→1729河和駅1745→南知多町海っ子バス・南知多美浜環状線→1817師崎港

歩く距離こそ1.9kmと常滑経由の350mよりも多いですが、歩けない距離ではありません。そしてこちらの方が比較的乗り継ぎがよくて1時間半近く師崎港に着くことが可能です。

まとめ

というわけで、一応、机上の検証では2024年のダイヤでも3泊4日でゴールが可能です。とはいえ、途中で使用した多くのバス路線、特に浜松市を中心とする遠鉄バスの路線網削減が大きく響き、4日間の合計徒歩距離は40kmを超えます。3日目の歩きは1日だけで20㎞を超えます。いくら健脚がウリの田中さん・羽田さんコンビといえど、相当つらい行程となってしまいそうです。

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