【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z(第1弾・伊豆下田→知多半島)
テレビ東京系で放映されている大人気企画「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は、2016年11月の特別編で、その後のZシリーズのレギュラーとなる田中要次さんと羽田圭介さんのコンビが誕生。2017年1月放映の元祖第25弾をもって太川陽介さん、蛭子能収さんは引退ということになりました。満を持して、Zシリーズ第1弾として2017年3月に放映されたのが今回ご紹介する伊豆下田→知多半島の回となります。
出発地は静岡県の下田。ゴールは隣県・愛知県の知多半島の突端である師崎港。マドンナはIMALUさんでした。
Z第1弾の実際ルート
バス旅では珍しい隣県がゴールということでしたが、苦しい歩き、コミュニティバス乗り継ぎによる大苦戦を経て、最後はマドンナの「諦めたくない」のひと言で長距離の歩きを敢行した結果、最終バスに間に合うという奇跡の展開で、ドラマチックなゴールとなりました。前向きなマドンナがチームを鼓舞し、引っ張るというZシリーズならではの方向性が定まった記念すべき第1回といえると思います。
2024年のルート検証
それでは、2024年のダイヤで行ってみたら、3泊4日でのゴールは可能となるのでしょうか。バス路線の廃止が相次いでいますので、どうなるか検証してみたいと思います。
実際ルートでは沼津から富士市まで直通するバスに乗っていますが、現在は途中の東平沼から船津まで途切れており、3kmほどの歩きを挟む必要があります。また、一行が2日目に乗った富士駅から由比駅を直通するバスも現在はなくなってしまっているようです。そのため、別のバスルートがある富士宮まで行って、この日は宿泊することになります。
実際ルートでは途中の横須賀車庫から浜松駅へ直接向かう遠鉄バスに乗りましたが、現在、同路線は廃止されており、一度東海道本線沿いに戻って袋井経由で向かうことになります。袋井駅到着は19時過ぎ。駅前にはビジネスホテルがあり、そこで泊まりたくなりますが、袋井で宿泊してしまうと翌日の行程がうまくいかなくなるので、頑張って歩いて磐田まで進み、そこで宿泊することがよさそうです。
実際ルートでも湖西市から県境を越えるところ、そして豊川市から岡崎市へと入るルートで徒歩を挟んで苦労していましたが、現在のダイヤではもっと深刻です。
特に、湖西市を走るバス路線網が壊滅的となっており、まず、浜松から直接湖西市に入るルートがありません。そこから9km歩いて湖西市中心部にたどり着き、県境近くの新所原まではコミュニティバスに乗車。さらに3km歩いて二川でようやくバスに乗れます。また、実際ルートでは途中3km程度の歩きを挟むだけで岡崎へと到達できましたが、現在は名電長沢駅から美合駅まで10km以上バスが繋がりません。
ちなみに、前日に磐田まで頑張って来た理由は磐田早朝発のバスに乗らないと豊川市民病院から名電長沢駅行の15時58分発の最終バスに間に合わないからです。結局その後に10kmの歩きを挟むものの、このバスを逃すとちょっと現実的ではない徒歩距離になってしまいます。
とはいえ、この日は合計で20㎞以上の歩きとなります。バス旅史上でも最も苦しい行程になると思います。
実際ルートで一行はコミュニティバスの乗り継ぎに苦戦して、途中で歩いていたらバスに追い越されてしまったりしましたが、その乗り継ぎさえしっかり調べることができれば、安城更生病院から碧南市民病院までは直接バスが繋がっており、また、そこから衣浦トンネル近くの称名寺バス停まで歩きなしで進むことができます。そのルートで進むと、一行が最後諦めかけた、上野間駅から河和駅までも、歩くことなくバスに間に合い、20時過ぎに師崎港に到達することができます。
なお、実際の放映を観ていて、一行は一度知多半島の東側の半田から西側の常滑へと抜け、その後再び東側の河和へと歩いているのですが、もし最初から知多半島の東海岸を進んでいたら何かバスがあったのかを調べていましたら、以下のようなルートがありました。上記の4日目ルートで13時20分に知多半田駅に到着した後のルートです。
歩く距離こそ1.9kmと常滑経由の350mよりも多いですが、歩けない距離ではありません。そしてこちらの方が比較的乗り継ぎがよくて1時間半近く師崎港に着くことが可能です。
まとめ
というわけで、一応、机上の検証では2024年のダイヤでも3泊4日でゴールが可能です。とはいえ、途中で使用した多くのバス路線、特に浜松市を中心とする遠鉄バスの路線網削減が大きく響き、4日間の合計徒歩距離は40kmを超えます。3日目の歩きは1日だけで20㎞を超えます。いくら健脚がウリの田中さん・羽田さんコンビといえど、相当つらい行程となってしまいそうです。
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