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謎解きソロ参加(ソロ凸)の手引書

最初にざっくりまとめ

■ 初対面の人が怖い? なら準備しよう!
■ ソロ参加勢こそコミュニケーションの大事さを意識しよう。
■ ソロ参加だからって委縮しすぎるのはやめておこう。
■ 自分を楽しませてくれるのは(基本的に)自分だけだぞ!!


読んでみてほしい人

○ 謎解きゲームのソロ参加をしてみたい人
○ 謎解きゲームにソロ参加せざるをえないけどつらい人
○ 謎解きゲームソロ参加(ソロ凸)勢の扱い方がわからない人

記事を書くきっかけ

○ 謎解きゲームにはまってソロ参加をしているうちに、「謎解き」自体以外の面白さに気が付いたから。
○ 謎解きソロ参加勢に向けての記事は少なくないけど、具体的なノウハウの話をしているものはあまり見なかったから。
○ 他のソロ参加勢がどんな話をしているか知りたかったから。

私の話

昨年秋に友人たちとグループ参加したリアル脱出ゲームをきっかけに、謎解きゲームの面白さにずぶずぶとはまっていきました。
今までの参加公演数は2020年1月現在で8公演で、その内ソロ参加は5公演です。
もともと推理小説やゲームブックなどが好きで、SCRAP社のリアル脱出ゲーム本をプレイしたこともあります。

初謎解きは「シン・ゴジラからの脱出」で、見事最後の大謎でコケて脱出失敗しました。いまだに悔しい……。
前述した通り、その時には友人たちと参加したのですが、公演後ハッとしたことがありました。
「これソロで参加したら、完全にはじめましての人とコミュニケーションする訓練になるのでは……?」

そう、私はコミュ障だったのです。
公演でも再三言われますが、謎解きゲームで脱出成功するためには「情報共有」と「役割分担」が非常に重要です。
基本的に一人ではさばききれない情報量を、限りある時間にぶち込まれますので他の参加者と協力しなければなりません。
でもこれって、広義では人生も同じなのでは……?(論理の飛躍)

しかし、私はコミュ障なのです……。
実生活でも他者との共同作業がスムーズにできなかったり、意思の疎通がうまくいかなかったりで困ることが多々あります。
そういったところを克服……できないにせよ、自分なりに場数を踏みたい! 謎解き自体が楽しいし、コミュニケーションスキルも上げられたら一石二鳥!!

この記事は、そんな気持ちで謎解きゲームにソロ参加している私による、ソロ参加したい人、ソロ参加してるけどつらい人に役立つかもしれないコミュニケーションのためのノウハウ集です。



謎解きゲームにソロ参加する前に

※この記事では「謎解きの楽しみを最大化し、脱出成功するためにはコミュニケーションが必要」であることを前提としています。

「ソロ参加したい! でも初対面の人怖い……」
謎解きが好きでソロ参加を思い立っても、こういった不安を抱く人は多いと思います。
「何を話せばいいのか?」「どんな人かわからなくて怖い」「公演を楽しめなかったらどうしよう……」
人間、慣れないことへの不安は尽きないものです。私もそうでした。嘘です。今でもそうです。

もしあなたが今度ソロ参加する公演に不安を感じているなら、事前に準備をしておくことをお勧めします。
具体的には「初対面で同じチームになった人に対する質問をいくつか考えておく」ことです。
実際私が重宝している質問が以下三つです。
「謎解きにはよく来られますか?」
「どちらの団体さんの公演によく行かれますか?」
「最近面白かったものや、おすすめのものがあれば教えてもらえませんか?」

公演にきている人って基本的に謎好きですので、謎解きに関する質問なら相手も答えやすいと思います。
同様に、自分も興味のある事柄なら質問しやすいし話も広げやすいでしょう。
コミュニケーションに苦手意識があるなら、当日その場でどうにかしようとするより、ある程度とっかかりを準備していったほうが圧倒的に気が楽になります。
もしかしたら自分の知らない人気の公演について教えてもらえるかもしれないので、物は試しと思って質問してみることにしましょう。

あ! 挨拶は大前提ですからね!
席に着く時と、ゲーム開始時に「よろしくお願いします」って声を掛け合うのをよく見かけるので私もそうしています。

ちなみに私が過去質問されて一番笑ったのは、夕方回の公演で聞かれた「今日の午前はどちらの公演に?」でした。朝からハシゴ前提なのめっちゃおもろい。


謎解きゲーム公演開始まで

開演までの時間が怖くて、開演時間ギリギリに行く……という話を聞きますが、ソロ参加の場合ある程度余裕をもっていったほうがいいのかなと考えています。
理由として、ある程度以上の規模の公演であれば入場時に「おひとり様ですか?」などの声がけがあり、同じくソロ参加の人と同じチームになるように配慮してもらえる可能性があるからです。

ギリギリに行って明らかに身内で固まっているグループに放り込まれてしまうよりは、余裕をもって行ってほかにソロ参加の人がいるチームに振り分けられるほうが気が楽ではないでしょうか。
もちろん必ずしも配慮があるとは限りませんが、有名どころの団体さんはそのあたりにも気を配ってくれている印象ですので参考にしてみてください。

また、余裕をもって入場するメリットは他にもあって、それは他の参加者の人となりを知れるということです。
そんなもんゲーム中にわかるわい!と思う人もいるかもしれませんが、ゲーム中ですよ??? 人間性がオブラートに包まれることなくむき出しになってますよ??? 怖くない????
私としてはオブラートに包まれた状態を知っておきたいので、前述したような質問を引っ提げて早めに入場するようにしています。

お話をする過程で、「単純にこの人は強そう」「場馴れしてて解法のための情報を整理するのがうまそう」「完全ビギナーさんなんだ!」という情報を得られます。
ゲームが始まらないと実際どうなるかはわかりませんが、それらの情報からなんとなく今日のチームはどんなふうに動くのか、自分がどんな立ち位置になりそうかを予想することができます。これがちょっと謎解き要素があって面白い。
初心者さん多めのチームだから情報共有しやすいよう声かけが必要になりそうだな、明らかに兵揃いなので自分は備品整理メインかな、いやいや我こそが兵なので積極的に謎に食いついていきたいな!! などなど。

また、中にはまあ、事前トークの段階で「ちょっと……」という人もいます。ゲーム中にそういった人に突然振り回されて残念な思いをしないためにも、事前の情報収集&立ち回りの検討はしておいたほうが無難です。
実際私もソロ参加した公演で、事前トークの段階から人の話を全く聞いておらず、もちろんゲーム中も自分の世界を貫き通した参加者に遭遇したことがあります。謎が素晴らしかっただけに、非常に残念な気持ちになりました……。

自分がチームを回さないと!と気負う必要はありませんが、このチームはどんなチームかな?自分はこういう役割かな!という心構えがあったほうが、極限状態でもとっさに立ち回りが判断できるので発言しやすいですし、困ったときに助けを求めるハードルが下がります。
なにより、チームの一体感があったほうが、脱出成功の時も失敗の時も感情を分かち合えて楽しさが増幅する気がしませんか?

コミュニケーションは相互でするものなので、あなたが相手に働きかければ、基本的にあなたも相手に関心を持ってもらえます。
ソロ参加でもチームの一員だと自分自身でも感じ、また相手にも感じてもらえるようにコミュニケーションは積極的にしていきましょう。(ただし圧倒的な強さで成功に貢献できる人はこの限りではありません)


謎解きゲーム公演中

実際ゲームが始まったとします。あなたはチームメイトと共に「脱出成功」のために巨大な謎に立ち向かうことになります。しかし、本当に立ち向かうべき相手は謎だけでしょうか?
実は、あなたが立ち向かわなければならない相手は他にもいます。
他の参加者です。

前述の内容はなんやねんと思われるでしょうがもうちょっと聞いてほしい、というかほかの人はそんなこと考えてないかもだけど私は考えているので聞いてくれ。二分だけでもいい(BGM:タイガー&ドラゴン)
特に謎解きが好きになり始めたころのあなた!!!
「初心者だから」「ソロだから」みたいなこと考えて、変に遠慮せんでええんやで!!!
正直私はソロ参加三回目くらいまで、自信のなさから変に遠慮してモヤモヤを抱えてしまった!!
でもそんな遠慮はしなくてええんねん!!!!

前述したようにゲーム中参加者は脱出成功のため時間に、時には圧倒的な物量に追い込まれ、人間性がむき出しになります。
開始まで和やかに談笑していた謎解き玄人っぽい参加者が、謎を一目見ただけで飢えたハイエナのように変貌することも少なくありません。むしろ普通です。だって謎の為に謎解き公演来てる人が多いから!!

中には「チーム作業の雰囲気が好き」「謎自体より公演の構成に興味がある」「コラボ先のコンテンツに課金したい」「圧倒的な物量を捌くのが快感」なんて人もいらっしゃると思いますが、基本みんな謎好きで、解きたがりです。
他人に配慮する余裕はよっぽどの聖人でなければ保てません。
そしてあなたも謎好きで、解きたがりだったら……?
そこに現れるのは謎の奪い合いです。
もしあなたが謎を解きたい気持ちがあるなら遠慮してはいけません

公演後に「あ~自分は見てるだけだったな~……」なんて後悔を残してほしくない!!
あなただって他の参加者と同じくお金を払って時間を使って参加しているんだ、どんどん食らいついてくれ!!!!

何をしたらいいかわからない? とりあえず聞いてみよう! 「これって○○しろってことですかね!!」
小謎がわからない?? とりあえず助けを求めよう! 「これわからないんで誰か助けてくれませんか!!」
気になったことがある??? とりあえず声に出そう 「これなんかあやしくないですか!!」

私も何度か公演に参加して気づきましたが、人間って自分で思ってるより自分の考えを言葉として発していません。
そして、他人は他人のことなんて全然わかりません。気心知れた相手なら言外のサインを読み取ってくれるかもしれませんが、初対面の人相手では100%無理だと思ったほうがいいです。
じゃあどうするか。とにかく言葉として発するのが最善手です。

また、困った時だけではなく、何か動作を始めるときも声を出してみましょう。「切ります!!!」「貼ります!!!!!」「挟みます!!!!!」行動前に宣言しておけば、やっちゃいけないことであればだれかが気づいて止めてくれます。
ダブルチェックみたいなもんです。
ヨシ!!!(某猫風に)
こうすることで、あなたは自分が何をすべきか、何をしてはいけないかに惑い判断できないまま取り残されてしまう状況から脱出でき、他のメンバーもあなたの発言から新たなひらめきを得るなどして謎から脱出することができます。多分。

そうはいっても、謎の独り占めや人の話を聞かないで独走するなどの行為はいけません。あくまで共同作業なのを忘れず、でも自分もチームの一員で当事者だからと能動的に参加していきましょう。
そのほうが、脱出失敗したとしても「楽しかった!」という経験につながりやすいはずです。

謎解き公演は主催団体だけでなく、参加者みんなで作るものです。
他人に楽しませてもらうのではなく、自分が楽しむために、自分にできることをしていくという意識を持ちましょう。
自戒です。


謎解きゲーム終了後……

ゲームが終わり、解説、結果発表などを経たころ、あなたは、「脱出成功して嬉しい~!」やら「失敗して悔しい~!!」やら、「絶対に納得がいかないブツブツ」など様々な感情を抱くことでしょう。
是非とも同じチームの人と感想を分かち合ってください。

なぜならあなたはソロ参加者なのです。今! その場で!! 話しておかないと!!! その感情を共有する機会がないからです!!!
謎解き公演は基本的にネタバレ禁止です。何か語りたいことがあってもブログなどで詳細な感想を書くこともできません。
どんなに悔しくても感動しても、会場を出てしまえば、絶対にその公演にはいかないだろう身内に語り倒すしかないのです。私のことです

ですので、本当に感動した部分などはアンケートに書くだけでなく、ほかの参加者とも共有してみましょう。
もしかしたら、あなたが気づいていないあなたのファインプレーに感動した参加者がいて声をかけてくれるかもしれません。
次の公演に向けての反省点など得るものがあるかもしれません。

そして退出するときは、「今日はありがとうございました!」と笑顔で立ち去りましょう。こうすることで、あなたも他の参加者も、眠りにつく前に「今日の公演はいい雰囲気で楽しかったな~」と余韻に浸ることができるでしょう。

ちなみに、私が言われた中で小粋だなと感じた別れ際の言葉は、「また一緒になったらよろしくお願いします!」です。
う~ん、押しつけがましくなく、次の楽しさを予感させる挨拶、素敵。


最後に

謎解きひよっこの分際でいろいろ書いてみましたが、何か得られるものはあったでしょうか。
正直、謎解き公演ってどんな人と一緒のチームになったかで楽しさの度合いが変わってきます。
とはいっても、基本的に一度しか参加できない公演がほとんど、できたら楽しめる確率は上げていきたいですよね。なので、できることはやっていきましょうという趣旨の記事になったような気がします。
これはあくまで私の考えなんで、他の方はどんなふうに考えて、どんなお話をしてるのか聞いてみたいですね。

末筆にはなりますが、盛り上がりを見せる謎解きゲーム界隈のますますの発展をお祈りしております。

ちなみに今年はよだかのレコードさんにたくさん伺いたいです!!!!!
サイレントナイトもチケット取れたので行きます!!!!!
新作も再演もお待ちしてます!!!! よろしくお願いします!!!!

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