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【夢うつつ絵本2】夢の落下(悪夢) 2p


ある日の夢。

私は数ある色鉛筆の中から1番好きな「黄色」を握りしめた。
真っ白い紙が黄色に染まり気分は上々、鼻歌なんかも歌ったり。

「この色も素敵よ」

誰かがそう言って私の黄色の上に緑のインクをのせた。

「ほら、こっちはどう?」

青に赤、茶色に紫、次々に広がる色はあっという間に混ざり合い黄色い紙は黒色へ。

「ほら、この色持って」

そう言われ握らされた手には黒いペンキがべっとりと。

急に怖くなって駆け出すと、黒い足跡が私の後ろをついてくる。
黒色は次第に私の足、膝、腰、背中、お腹へと広がって……気がつけば真っ黒人間のでき上がり。

「私の色を返してよ!」

糸の様に細い声と同時に真っ黒い血を吐いた。

チョキン!

何かが切れる音がして目が覚めた。
私は真っ先に手の平へと目をやった。
しかし、私の姿は真夜中に紛れ込んだままだった。

つづく

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