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公立中高一貫校受検と私立中学校受験の違い

 今回は、公立中高一貫校受検と私立中学校受験の違いについて書きます。

 よく「公立中高一貫校の受検は思考力が試されて、私立中学校の受験は知識が試される」と分類されがちですが、これはちょっと違うと考えています。感覚的で言えば、「公立中学校の受検は高いレベルの知識が求められなくて、私立中学校の受験は知識が求められる」というだけで、思考力は両方において試されています。二つの受験の違いは難易度だけです。平たく言うと、公立中高一貫校の問題は簡単で、私立中学校の問題は難しいというくらいの話です。

 しかし、このように言うと、
「合格者数を見ると、私立中学受験塾は、あまり合格者を出せず、公立中高一貫校対策塾の方が合格者を出しているじゃないか」
「やっぱり身に付ける能力や取り組むべき対策が違うんじゃないか」
と思われる方もいらっしゃると思います。実は、これには日程的な理由があるのです。

 それは簡単な話で、公立中高一貫校の合格発表が遅いからです。大半の私立中学校の入学手続きの締切りは、公立中高一貫校の合格を待ってくれません。ゆえに、私立の入学金を支払って合格を待たなければなりません。一部の私立学校に関しては、公立中高一貫校の合格を待ってくれますが、上位校で待ってくれる学校はありません。つまり、私立上位校を目指している子になれば、必然的に公立中高一貫校は選択肢から除外されてしまうのです。(もちろん、例外はあります。)

 公立中高一貫校の大学合格実績を見ていただければわかりますが、私立の最難関校に及ばないことは言うまでもありませんし、基本的には私立中堅上位校の方が良い実績を出しています。そのような理由から、私立学校を志望している家庭になれば、殊更に公立中高一貫校にこだわる必要がないのです。それが、私立中学受験塾の公立中高一貫校の合格者数が少ない理由です。これは、決して対策の違いから生じる問題ではありません。

 これまでの経験で言えば、私立中学校の難関校に合格するレベルの子は、大した対策をしなくとも公立中高一貫校に合格している印象です。したがって、ここまでに述べてきた通り、私立中学受験塾は、単純に受験者数が少ないから合格数が伸びないだけです。合格率で言えば高いと思います。

 公立中高一貫校は、私立受験の優秀生が選択肢に入れづらい入試日程になっています。公立中高一貫校の受検も、思考力という不確かな話ではなく、基本的には学力で決着しています。それは、最終的には「確かな学力」が大切になるからです。その「確かな学力」を育てるにあたって、公立も私立もまったく関係ありません。

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