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「合不合判定テスト」と「合格判定テスト」の関係~10月模試の考察~@2021年度受験

10月の模試の結果が出始めております。
私たちの教室では、日能研の「合不合判定テスト」と四谷大塚の「合格判定テスト」の2つを受験してもらっています。

理由は、外部会場での試験の経験を積むためです。
今年の6年生は、6年6月以降に中学受験の勉強を始めたばかりなので、まだ試験慣れをしておりません。
その点の課題を克服するために、模試の受験回数を増やしております。
※同時に、これ内部試験のできない小規模学習塾の弱点なのですが…

さて、10月も子供たちには2つの模試を受けてもらいました。
そこで、見えてきたことを今回の記事にまとめます。

まだデータ数が少ないので確実な話ではありませんが、2つの模試を比べると、「合格判定テスト」の方が結果が出しやすい印象です。
問題の作りとしては、「合格判定テスト」の方がオーソドックスな作りで基礎基本が出来ていれば解きやすい問題が多く、「合不合判定テスト」の方が応用力を求められる作りで、多少突っ込んだ知識を求められることが多い印象です。
そのため、同じ子が2つの模試を受けると、「合格力判定テスト」の方が「合不合判定テスト」より結果が出ています。

以前の記事で、首都圏模試センターの「合判模試」と2つの模試の関係性について書かせていただきました。

そのときは、「合判模試」と「合格判定テスト」「合不合判定テスト」の間には難易度の差があり、「合判模試」の対応力ではその偏差値60以上の学校の対応力は測りきれないという話をさせていただきました。
今回は、それに加えて「合格力判定テスト」と「合不合判定テスト」の間にも、対応するゾーンの違いがあるのではないかと述べさせていただきます。

偏差値表の学校分布で考えると、「日能研」と「四谷大塚」の母集団には差が無いように思われます。
※「 」は、提携塾等も含めて考えるという意味で付けています。

しかし、問題の難易度から考えると、「合不合判定テスト」の方が、より上位の学校の判定が正確に出るのではないかと考えます。
逆に言うと、日能研偏差値45~55の間の学校は、「合格判定テスト」の方が正確ではないかと考えます。
「合格判定テスト」の対応力があれば、「合不合判定テスト」の対応力が弱くとも、そのゾーンの学校の試験問題の対応力は付いていると考えます。

中学受験の模試には、各社に特徴があります。
それゆえに、その子の対応できる問題の難易度によって、結果は左右されます。
どれかの模試の難易度にしっかり対応できたとしても、別の模試の難易度には対応できないということもあります。
それゆえに、自分の志望校の問題の難易度を把握することと、それに合わせて模試を選択することは大切です。
特に、大手学習塾にお通いの方は、基本的にその学習塾の模試、またはその学習塾が提携している模試を受けていることが大半だと思います。
ただ、その模試が全ての志望校の難易度を網羅的にカバーできているわけではありません。

たとえば、サピックスの模試の難易度に対応できなくとも、他の模試の難易度には対応できていれば、その母集団の中では優秀であるというケースもあり、必ずしもサピックスの偏差値や合格確率に左右されないで考えていい難易度の学校は多いです。
つまり、模試の使い分けは、自分が受験したいと考えている学校の問題の難易度に合わせて使い分けた方がよく、また複数の模試を受けた方が、より冷静な判断ができるものです。

大手学習塾から転塾を考えてらっしゃる方は、転塾する前に他塾の採用している模試を受けてみることをお勧めします。
その結果によっては、転塾しないで続けた方がいいケースもあります。

中学受験で重要なのは、目標校に合わせた難易度の指導です。

以前の記事でも書かせていただきましたが、その子の成長に合わせた適切な段階と目標校に対する適切な難易度の設定が必要になります。
それを間違えたままカリキュラムに振り回されてしまうと、かえってその子の能力を引き出すことができません。
「中学受験の結果」は、「人生の結果」ではないからこそ、子供の成長を長い目で考え、適切な段階を踏ませてあげることが大切だと考えます。

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