『予習シリーズ』の適正校について@共学校編

 『予習シリーズ』の適正校についての分析記事も最終回です。基本的な考え方は、男子校の記事をご参照ください。

今回は、共学校についてです。

【合格実績の比較一覧】

[ピックアップの基準]
※早稲アカデミーがSAPIXの合格者数を上回っている学校。
※SAPIXと早稲田アカデミーの両方に合格者のいる学校。
※四谷大塚の偏差値表に偏差値が乗っている学校。
※複数回入試のある学校の偏差値は、初回入試の偏差値。
※偏差値は、四谷大塚の2024年の男子の結果数値。
※50音順
※( )内は、SAPIXの合格者数。


SS40:郁文館   :26名(2名)
SS43:頴明館   :42名(8名)
SS42:桜美林   :57名(9名)
SS55:開智日本橋 :92名(47名)
SS50:国学院久我山:164名(162名)
SS43:駒込    :34名(10名)
SS42:桜丘     :12名(1名)
SS40:サレジアン国際:27名(14名)
SS55:芝浦工業大学附:45名(33名)
SS48:芝国際    :67名(44名)
SS48:淑徳     :85名(31名)
SS42:淑徳巣鴨   :21名(5名)
SS44:順天     :34名(16名)
SS50:成蹊     :50名(32名)
SS51:成城学園   :53名(34名)
SS52:青稜     :80名(67名)
SS57:中央大学付属 :77名(36名)
SS52:帝京大学   :32名(12名)
SS50:桐蔭学園   :93名(51名)
SS40:東海大学高輪台:13名(4名)
SS49:東京学大小金井:15名(4名)
SS43:東京電機大学 :50名(17名)
SS48:桐光学園   :70名(20名)
SS48:東洋大学京北 :35名(23名)
SS46ドルトン学園 :14名(12名)
SS40:日本工業大駒場:22名(8名)
SS48:日本大学   :43名(23名)
SS40:日本大学第一 :34名(15名)
SS45:日本大学第二 :64名(12名)
SS40:日本大学第三 :36名(5名)
SS37:文教大学付文教:31名(11名)
SS55:法政大学   :60名(37名)
SS56:法政大学第二 :83名(61名)
SS38:武蔵野大学  :39名(2名)
SS45:明治学院   :80名(19名)※2日午前
SS52:明治大学八王子:72名(18名)
SS61:明治大学付明治:125名(62名)
SS44:目黒日本大学 :25名(13名)
SS49:森村学園   :24名(4名)
SS37:八雲学園   :22名(6名)
SS53:安田学園   :44名(35名)
SS43:横浜創英   :18名(4名)
SS64:早稲田実業  :69名(48名)
※公立中高一貫校は除く。


 さて、一番最初に目につくのは、明治大学明治中学校の実績です。

昨年の109名、一昨年の110名から一気に増やし、SAPIXにダブルスコアの大差を付けています。SAPIXの明大明治の合格実績は、4年前までだと平均80名以上の合格者を輩出していました。それが今年は62名です。

5年前が68名なので、必ずしも「異常」とは言えないのですが、それでもSAPIXの合格者数が減ったのと『予習シリーズ』の改訂に、全く因果関係がないとは言い切れないと考えています。「男子校編」「女子校編」で見えてきた結果とも照らし合わせて見えてくる方向性に齟齬を感じません。ゆえに、明大明治の数字は『予習シリーズ』の特徴を物語っている気がします。

 また、GMARCHの付属校の中でも明大明治の実績で強いというのは、大きな意味があると考えています。それは、明大明治が他のGMARCH付属校とは別格だからです。偏差値上でも別格ですが、問題の難易度も別格です。
 たとえば、自由が丘から通いやすいGMARCH付属校としては、中央大学横浜法政大学第二がありますが、この2校は明大明治ほど問題は難しくないので、下位の子がアップセットしやすい学校です。しかし、明大明治の算国の問題まで仕上がると壁が存在し、あるラインを超えた子でないと厳しいです。偏差値上で差があるのは、問題の難易度に決定的な差があるからで、明大明治だけは、「GMARCH付属の付属校」というよりも「早慶明」と括った方がしっくりきます。
 そんな明大明治に早稲田アカデミーが盤石の旗を立てたことは、今回の『予習シリーズ』の改訂を象徴していると感じています。

まとめ

「男子校編」「女子校編」も含めて、総合的にまとめていきます。

・SAPIXに近い、難関校を目指すテキストの難易度になっている。
・一番強さを発揮するのは、偏差値55~60の層。
・大学付属系に強い。
・『予習シリーズ』の負荷の必要のない学校は多い。

という感じになります。まとめについては、男女共学共に変わりません。
最難関校を目指して中学受験をしたい御家庭は、SAPIX・Gnobleを検討するのが良いでしょう。そこまで目指さなく、難関校を目指したいという家庭には『予習シリーズ』を採用している学習塾が合うかもしれません。
 ただ、難関校も目指すことなく、中堅校以下の学校を目指す場合は、『予習シリーズ』はオーバーワークになると思います。それゆえに、はっきりとした住み分けが重要だと考えております。

 もし、テキストやカリキュラムについてお悩みのことがありましたら、ぜひ学習相談にお越しください。



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