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文庫版 孤独のグルメ/久住昌之✖️谷口ジロー

主人公・井之頭五郎は、食べる。
それも、よくある街角の定食屋やラーメン屋で、ひたすら食べる。

時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たす時、彼はつかの間自分勝手になり、「自由」になる。

孤独のグルメ。それは、誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為だ。そして、この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の「癒し」といえるのである。

文庫版 孤独のグルメより

大人数でご飯を食べるのが苦手だ。
いつからそうなったのかは覚えていないけれど、基本は一人で黙々と食べる。

その時は何も考えない。食べる事だけに集中する。
つまり、邪魔はされたくない。そこが井之頭五郎と共通している部分だ。

違う所を挙げるとすれば、その場で食べる料理を決めない所。出かける前に食べる料理、場所を予め決めておく。それ以外食べる事はしないし、飛び込みで決めようとも思わない。

でも、そこが羨ましくもある。
失敗したと思うかもしれないし、居心地が悪いと後悔するかもしれない。

けれど、その中で面白さが生まれるのも孤独のグルメの醍醐味だと思う。自分がそういう面白さを味わえるのは、もう少し歳を重ねてからだろうか。

最後に。ドラマから入った自分は原作を読んで、井之頭五郎の所々で感じられるブラックな部分に驚いた。でも、それが面白い。

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